「アイコス」新製品、日本で販売 脱“紙巻きたばこ”の戦略は? 【WBS】
13日、加熱式たばこの新製品「IQOS イルマ アイ」シリーズが、世界に先駆けて日本で発売されました。販売元の「フィリップ モリス インターナショナル」のヤツェック・オルザックCEOがテレビ東京のインタビューに応じ、日本で最初に発売した狙いと、今後、紙巻きたばこの製造・販売をやめ、ヘルスケア事業などに力を入れていく戦略を語りました。 13日に発売された加熱式たばこの新製品「IQOS イルマ アイ」シリーズ。価格は3980~9980円までの3種類で、上位2機種にはタッチスクリーンが搭載され、タバコを加熱する端末の状態や、あと何本吸うことができるかなどが表示されます。さらに最大の特徴は「ポーズモード」。画面をスワイプすると加熱が一旦止まります。最大8分間中断でき、逆方向にスワイプすることで、加熱が再開します。 通常の紙巻きたばこと違い、葉たばこを加熱し、発生する蒸気を吸うため、煙が出ないのが特徴の加熱式たばこ。 なぜ今回その新製品を世界に先駆けて日本で発売したのでしょうか。 「日本の消費者は非常に要求度が高い。日本市場での要求にこたえていけば世界の市場でも成功できる」(「フィリップ モリス インターナショナル」のヤツェック・オルザックCEO) 実はIQOSが初めて登場した10年前も、世界に先駆けて日本で発売。日本市場で得た経験を生かし、世界で販売したところ、利用者はこれまでに世界でおよそ2800万人までに拡大。そのうち日本は現在も最も多い850万人と、3割以上を占める重要な市場です。 こうした中、タバコメーカーとしては今、転機を迎えていると話します。 「たばこやニコチンとは関係ない事業にも取り組んでいる。加熱式たばこなどで得た技術を他の事業領域に展開している」(オルザックCEO) フィリップ モリスは、2021年には呼吸器系の吸入薬を開発する製薬企業など3社を買収。2025年までにヘルスケア・ウェルネス事業で売上10億ドル、およそ1500億円の目標を掲げています。 では本業のたばこについては、今後どうしていくのでしょうか? 「たばこメーカーは健康に悪い企業という印象を持つ消費者はいる。理解は得られるか?」(豊島晋作キャスター) 「10年前と比較すると(加熱式たばこは)理解は得られている。懐疑的な声もあるが、加熱式たばこについて懐疑的な人々を説得する科学的な検証を重ねてきた」(オルザックCEO) フィリップ モリスは今後10年ほどで燃焼系たばこ、つまり紙巻きたばこの販売から撤退し、加熱式たばこのみを展開する方針を示しています。 「世界の喫煙家から愛されたマルボーロだが、燃焼系(紙巻き)たばこは、将来的に禁止されるべきか」(豊島キャスター) 「消え去るべきだろう。現代の喫煙者は同じ満足感を加熱式たばこで得られることができる。燃焼系たばこの悪影響を受けることなくだ。紙巻きたばこが置かれる場所は小売店ではなく、博物館になるべきだと思っている」(オルザックCEO) ※ワールドビジネスサテライト