「『誠司、頑張ってくれよ』と言ってくれるんで」巨人・小林が背負う盟友の思い
巨人の小林誠司捕手(35)が広陵時代にバッテリーを組んだ同級生で、今季限りで引退した元広島投手の野村祐輔さん(35)の思いも背負って戦う。29日に広島市内の同校グラウンドで行われた野球教室に参加。広島の3軍投手コーチ兼アナリストとなった野村さんから「1年でも長く選手を続けてもらいたい」とエールを送られ、決意を新たにした。年男として迎える来季、強い危機感を持って勝負する。 【動画】小林誠司、野球教室での対決企画で捕手 小林が原点の場所で率直な胸の内を言葉にした。広陵の同級生の野村さんが今季で引退。右腕とは高校時代にバッテリーを組み、3年夏の甲子園で準優勝を果たすなど、苦楽をともにした。盟友をねぎらいながら自らに気合を入れていた。 「13年間という現役生活で残してきた実績はほんとに素晴らしいものがある。寂しい気持ちが一番あるんですけど、お疲れさまという気持ちもある。そういう話や思い出話をしたりして、『誠司、頑張ってくれよ』と言ってくれるんで、現役である以上は頑張りたいと」 高校卒業後もチームは違えど、刺激し合ってきた。野球教室に参加した野村さんからは「僕の代も誠司だけになってしまったんで、何とかね、1年でも長く選手を続けてもらいたい」と“エール”。「今の僕があるのも野村のおかげ」と感謝する存在からの言葉は何よりうれしい。伝え聞いた小林は心を熱くしながら、決意をにじませる。 「そういう話をずっとしてくれてる。今まではライバルで、来年、チームも違うし、立場も違いますけど、いち野球人として応援したいという話をしてくれている。そういう思いも背負いながら頑張りたい」 仲間の気持ちも糧に臨む来年は36歳のシーズンで、年男として迎える。年齢への特別な感情はない。あるのは強い危機感だ。「もう僕は1年1年が勝負なんで、がむしゃらに泥臭くやる」。今季36試合で先発マスクをかぶったが、岸田、大城卓らに加えて、今オフにソフトバンクからFAで甲斐が加入。不退転の覚悟で激化する争いに食らいつく。 野球教室で母校を訪れ、恩師の中井哲之監督(62)からは激励の言葉をかけてもらったという。内容については「内緒(笑)」と胸にしまったが、「もちろん、やらないといけないと思った。まだまだ体も元気なんで来年は優勝、日本一。広陵の後輩の選手にも負けないようにしたい」。多くの期待を背負い、小林はまだまだ挑戦を続ける。(宮内 孝太) ◆小林と野村さんのこれまで 広陵の同級生で小林は1年冬に投手から捕手へ転向。3年時にはバッテリーを組み、甲子園で春8強、夏は決勝で佐賀北に敗れ準優勝。小林は同大―日本生命を経て13年ドラフト1位で巨人入団。野村は明大を経て11年同1位で広島入団。16年11月に行われた侍ジャパンのメキシコとの強化試合(東京D)では、高校以来となるバッテリーを組んだ。
報知新聞社