KMバイオ(熊本市)のエムポックスワクチン WHOが緊急承認 世界2例目
熊本市の医薬品製造販売KMバイオロジクスは20日、同社のエムポックス(サル痘)ワクチンが、世界保健機関(WHO)から緊急使用の承認を得たと発表した。WHOによる承認はデンマークのバイオ企業に次いで世界で2例目。 熊本の経済ニュース
KMバイオのエムポックスワクチンはもともとは天然痘用のワクチン。エムポックスの予防にも効果があるとして国内では2022年に追加承認されていた。 WHOや厚生労働省によると、エムポックスは主に患者の体液や血液に接触することで感染。発熱や発疹などの症状が出る。多くは2~4週間で自然回復するが、重症化する場合もある。WHOはアフリカのコンゴ(旧ザイール)を中心に感染が拡大していることを受けて今年8月、緊急事態を宣言した。 WHOは今回の承認理由を「エムポックスの感染が急増している地域でワクチンへの迅速なアクセスが促進される」と説明。KMバイオによると、承認により国際機関などがワクチンを調達、流行地である途上国に供給できるようになる。 KMバイオは「国際的な公衆衛生上の緊急事態に貢献したい」とコメント。今後、緊急時以外も使用できるようにするため「WHO事前認証」の取得を目指す。(山本文子)