ティーショットを放つ稲森

＜国内男子ゴルフ：日本オープン選手権＞◇第3日◇12日◇埼玉・東京GC（7251ヤード、パー70）◇賞金総額2億1000万円（優勝4200万円）◇晴れ、25・1度、東の風1・8メートル◇観衆3738人 　3位で出た稲森佑貴（30＝国際スポーツ振興協会）が2バーディー、3ボギーでまとめ、首位から1打差3位の好位置を引き続きキープした。この大会は18、20年に制しており、今年も優勝すれば史上6人目（ツアー制施行の73年以降では3人目）、最年少での3勝目となる。3日目終了時点でアンダーパーは5人とシビアな展開が続く中で、我慢強く耐え、最終日に逆転を狙う。 　　　　◇　　　◇　　　◇ 　稲森が1打差の好位置で踏ん張った。「変なことばかりしてたけれど、何とかパーを拾えた」。11番パー4と15番パー4では、いずれも7メートル近いパットを沈めてパーセーブ。17番では「まったく気にしていなかった」というバンカーに入れたがスコアを落とさなかった。 　ラフが長い難コース。落ち着き払った表情でプレーしていても、神経は常に張り詰めている。だからこそ「後半になると頭が混乱したような状態。体力より気力の消耗が激しい」と明かす。さらに「今日なんてぽかぽか陽気で、途中から眠くてやばかった」とも。 　18、20年に制しており、3度目の優勝となれば史上6人目。ツアー制導入後では尾崎将司、中嶋常幸に次ぐ快挙となる。「偉大な先輩たちと肩を並べるという言い方はおこがましいけれど、3勝達成者に名前を連ねることは目標の1つ」と意気込む。 　第2ラウンド（R）終了後、「このコースは逃げる側は嫌。追いかけるほうがいい。トップと1、2打差をキープできれば、最終日に少し気楽にいけるかな」と描いた。その通りの展開で最終Rへ。日本オープンの勝ち方を知る男が、勝負どころで満を持してスパートをかける。【奥岡幹浩】