自動車工場「生産ラインの全体像」を5分解説、生産量を決める“ある工程”とは?
「順列生産」のメリットとは? 工夫すべきポイントも解説
前述のように、圧造のような工程を除き、日本の工場では順列生産が基本となっています。その目的・メリット・工夫すべき点には下記が挙げられます。 1ページ目を1分でまとめた動画 ■順列生産のメリット ・オーダーに対するリードタイムの最小化 ・在庫の最小化 ・ラインバランスの平準化(ロット生産の場合、手のかかる作業が必要な車種にあわせて人や設備を用意してしまうと簡単な作業で済むような車種の生産において余剰が生まれる場合などがあるので、順列をコントロールして平準化を図る) ■順列生産で工夫すべき点 ・シーケンスサプライ(部品メーカーとの連動し順列通りに納入してもらう) ・作業ミスの防止(作業員にやるべきことを明確に伝えミスを防ぐ) 品質管理において重要なのは不具合を外に出さないことです。そのためには、ゲートをある間隔で区切って途中でもチェックすること、不具合があったらすぐラインを止められるようにすることなどが重要になります。 不具合発生からさかのぼってどこまで正常にできているかを追えるようにしておくことも大事です。トレーサビリティも必須であり、部品生産からのデジタル管理が重要となります。
生産ライン「エンジニアリング」はどう進められてる?
生産ラインのエンジニアリングにおいて、自動車の設計と設備の設計は並行して動きます。 新しい車種が出ると膨大な仕事が発生する場合もあり、新設ラインではなく、改造の場合は、新しい車種以外に既存車種の対応も検討する必要があり、そういった付帯事項も考慮しながら検討を進める必要があります。 現在は3D-CADの活用も進んでおり、ネットワークでデータのやりとりもできるようになりました。それらを用い、バッファやフォークリフト台数などのシミュレーションも可能となっています。 海外のメーカーのサービスも行っているのですが、海外は国によって発想が異なるため、各々の考え方に応じた対応が必要です。同じ部品でもメーカーごとの呼び名が違うような場合もあり、柔軟な対応が求められます。 フィジビリティスタディ、工場コンセプト検討、予算、SEなどについて自動車会社とやり取りする場合もある他、自動化の対応も行っています。 こういったさまざまな課題に対して、長年の経験を生かせることがティーネットジャパン AES事業部の強みだと考えています。