【#佐藤優のシン世界地図探索78】気候移民とイスラエル滅亡
ウクライナ戦争勃発から世界の構図は激変し、真新しい『シン世界地図』が日々、作り変えられている。この連載ではその世界地図を、作家で元外務省主任分析官、同志社大学客員教授の佐藤優氏が、オシント(OSINT Open Source INTelligence:オープンソースインテリジェンス、公開されている情報)を駆使して探索していく! * * * ――8月、佐藤さんはモスクワに滞在されていましたが、そこで2024年版の「シン世界地図」が見えたとのことですが? 佐藤 はい。過去、ロシアの近代化は3回ありました。 ――1回目がピョートル大帝、次がスターリン。3回目がいまだと。 佐藤 そうです。ピョートル大帝、スターリンのときもものすごい弾圧で犠牲者が出ました。プーチンの課題は、それを極小化することです。 結局、レーニンとスターリンは違います。レーニンが行なったのは大混乱であり、それをスターリンが立て直しました。そして、フルシチョフはスターリン批判により権力基盤を強化しました。しかし、スターリンはむしろ部下たちによる粛清を抑えていたくらいで、フルシチョフは一番粛清に積極的だったんです。 ――すると、プーチンは3度目の改革で、日本風に言うと「三度目の正直」にあたると? 佐藤 だから、その改革で犠牲者を極力出さないためにどのようにしていくかが問題です。そうした時に、生成AIを含めて、近代化の流れの中に組み込んでいく必要があります。 いま、広告代理店を中心に商品が人為的に作られています。そして、それによって生産が必要以上に過剰になり、生態系を壊しています。 ――そこでロシアはまず、その広告を除去した。 佐藤 そうです。そして、特に西側の考えている地球温暖化は生ぬるいと考えています。なぜなら、価値観や経済による移民のほかに、いま気候移民が発生しているからです。灼熱の下で住めなくなっていますからね。 ――氷河期が終わって以来の、新たな民族大移動が始まるのですか?