「まさかの2回連続追加招集された男」柏レイソル・関根大輝が代表経験で持ち帰ったもの…レベルが上がるたびに「急成長できる理由」を語る
海外で経験を積む選手が居並び、かつてなく高水準な日本代表のDF陣。そこに割って入ろうと虎視眈々と狙うのが柏レイソルの22歳、関根大輝だ。現役大学生ながら1年前倒しでレイソルに加入するや、定位置を獲得。五輪代表でパリ大会出場、A代表にも初招集され、その成長ぶりはすさまじいものがある。飛躍の年となった2024年を振り返る、NumberWeb特別インタビュー。<全2回の前編/後編を読む> 【写真】「手足が長いね!」187cmの長身で美しいホームスタジアムを歩く関根大輝、パリ五輪「あの幻のゴール」のチームメイト・細谷真大を迎える関根、ほか現日本代表のかっこよすぎる現場写真を全部見る 物怖じしない、ひるまない。 自分より上のレベルにひとたび足を踏み入れれば、一心不乱にそこまでたどりつこうとする。『ドラゴンボール』の孫悟空調で申せば“オラもっとうまくなんぞ”とばかりに、目を大きく輝かせてドキドキとワクワクを隠さない。22歳の現役大学生Jリーガー、関根大輝は今まさに飛躍の階段をかっ飛ばして駆け上がっている最中にある。 A代表に初選出された10月に続いて、11月の北中米W杯アジア最終予選(15日:対インドネシア代表、19日:対中国代表、いずれもアウェイ)でも2回連続の追加招集となった。なかなかのレアケースである。 10月シリーズの経験こそが、本人の意識を変える大きな一歩となっている。 187cmの長身を誇り、スピードもあれば足もとの技術もあって攻撃的なセンスにあふれる現代のサイドバックだ。拓殖大から2025年に柏レイソル入りが内定していたが、1年前倒しで加入した後はレギュラーに定着。パリオリンピック本大会出場、A代表入りとステップアップを加速させている。大学1年時にセンターバックからサイドバックに転向してまだ4年。どこまでスケールアップするか末恐ろしいほどだ。
自分のプレーへの高い要求水準
現在、レイソルは熾烈な残留争いに巻き込まれている。関根自身、全神経を注ぎ込んでいることは言うまでもない。 10月23日、アウェイでの浦和レッズ戦――。スコアレスで迎えた後半アディショナルタイムだった。残りわずか、ペナルティーエリア内にパスを通され、原口元気に裏へとパスを出される。ボールが渡った関根貴大にすぐさま対峙し、クロスとみるや両手を腰に回してハンドを防ぎつつ相手をよく見たうえで足を出した。ボールは引っかかってこぼれ、反応したチアゴ・サンタナが放ったシュートは立田悠悟の腕に当たってPKとなる。これを決められ、レイソルは勝ち点0に終わってしまう。 原口にニラミを利かせつつ、背後にも意識を向けていた。思うようなクロスを上げさせておらず、関根の対応は落ち着いていた。だがその場面をアンラッキーで片づけようとはせず、唇を噛む彼がいた。 「あのラストワンプレー、ボールを取り切れるくらいに行かなきゃいけないと思っています。本当にちょっとした隙が、自分としては出てしまった。A代表に行って、本当に細かいところが大事だなっていうのは凄く感じています。取れるところを一つ逃がしたら取れなくなるし、気を抜いたら簡単に裏を取られてしまう。代表で菅原(由勢)さんに話を聞くと『プレミアは、一瞬気を抜いただけでやられる』と言っていましたし、試合が終わるまでずっと集中しなきゃいけないっていう思いで代表から帰ってきてやっているので。自分としては一瞬たりとも隙はつくりたくないんです」 隙というレベルでもなければ、気を抜いたようにもまったく映らない。しかし判断基準をA代表に置くと、ミスの範疇になると関根は解釈している。クロスを思うように上げさせないことではなく、ボールを奪うことを最低限のラインに引き上げていた。
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