中国不動産開発の万科、新規融資の担保に2.8兆円の資産用意-関係者
(ブルームバーグ): 中国不動産危機の新たな火種となっている万科は、新規銀行融資を模索する中で、担保として活用する総額約1300億元(約2兆8000億円)の資産パッケージを用意している。事情に詳しい関係者が明らかにした。
非公表の情報だとして匿名を要請した関係者によると、万科幹部が14日に開いた投資家向けイベントで、この計画をアナリストに話した。これとは別に、万科の一部の地方部門は資産売却の可能性を探るためのチームを立ち上げつつあると、関係者の1人は述べた。
万科は取引所に提出した文書で投資家向けイベントに触れているが、資産パッケージの詳細や資産売却の可能性について公表はしていない。同社はコメントの要請にすぐには応じなかった。
先週の株価急落で投資家の警戒感が高まっている万科は、デフォルト(債務不履行)懸念を払拭(ふっしょく)しようと躍起だ。14日の提出文書によると、郁亮会長と祝九勝最高経営責任者(CEO)はシティグループとUBSグループ、モルガン・スタンレー、中国国際金融などとの会合で、万科は流動性の圧迫と短期的な業務上の問題について解決策を策定していると説明した。
15日の深圳株式市場では、万科株は一時2.8%高となったが、引けは0.6%高と上げ幅を縮小した。6月に償還期限を迎える同社のドル建て債は額面1ドル当たり92.4セントと、1セント上昇。一方、12日に過去最安値を付けた2027年償還債は2週間余りで最大の上げを記録、39.3セントとなった。
関係者によると、14日のイベントへの招待状をアナリストらが受け取ったのは前日の夜で、開催のおよそ15時間前だった。万科が深圳証券取引所への提出文書を公表したのはイベントの直後で、出席したアナリストの一部はまだ自宅に帰り着いてもいなかったという。
原題:Vanke Readies $18 Billion of Assets as Collateral for New Loans(抜粋)
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