海外メディアの注目は実現しなかった大谷vs雄星ではなく6失点左腕のオープナー起用プラン
エンゼルス・大谷翔平(24)とマリナーズ・菊池雄星(27)の注目の“花巻東高OB対決”は実現しなかった。30日(日本時間31日)、シアトルのTモバイルパークでマリナーズ対エンゼルス戦が行われたが、大谷は左投手に対する休養で7試合ぶりに出場がなく、菊池は4回途中で10安打、6失点で3敗目を喫した。海外メディアで実現しなかった日本人対決に触れたのは大リーグの公式サイトくらい。他メディアのほとんどは、それよりも菊池の2試合連続KOを問題視した。 大リーグの公式サイトは「また強打を浴び菊池は答えを探す」との見出しを取り菊池が2試合連続で4回途中にKOされたことを伝えた。 同サイトは「木曜日のエンゼルス戦でマリナーズが3-9で敗れた後、約25人の日本人ジャーナリストのグループが菊池を囲んだが、彼らが注目した対象は1人ではなかった。普段から菊池を取材する日本人記者のグループは、同じ母国の大谷翔平とのメジャーリーグ初の対戦への期待で膨れ上がった。だが、その話題は、エンゼルスのブラッド・オースマス監督がこのシリーズの初戦に大谷を先発させなかったことでなくなってしまった」と、日本人対決が流れたことに触れた。 同記事は、そのことよりも「菊池は、大谷との対戦がなかったことに落胆はしていないが、制球に欠いた3回1/3の苦しい投球で10安打を許し、今季最多の6失点という内容に多くの不安を抱えることになった」と指摘。「27歳ルーキー(の菊池)が2試合続けて痛打された。マリナーズにとって菊池が1か月に一度行う(先発1イニング降板の)ショートスタートをもう一度試す良い機会かもしれない」と提案したが、スコット・サービス監督は「まだその準備はできていない」と答えたという。 地元のシアトル・タイムズ紙は、一切、日本人対決が流れたことに触れず、「3-9の敗戦で菊池がまた寂しい先発結果。もう1度休みを取らせる時間(オープナー)が来ている」と、菊池の次戦でのオープナー起用を提言した。 「マリナーズは菊池の次の登板について今シーズンを通して前向きに休息を取らせる1イニングの先発とは考えていないのかもしれないが、その考えを見直し、それ(オープナー)を実行すべきだ。過去2度の登板を見れば、このルーキー左腕(の菊池)に休息を与え復調ささせるタイミングが来たようだ」とオープナー起用を提言した。 記事は、「菊池は調子のいい時は、最もマリナーズに勝利をもたらすチャンスのある先発投手だったが、この2試合の先発でチームは敗戦した。この両試合は、勝利をもたらすには難しい投球内容で、10安打ずつを許し制球に苦しんだ」と説明。 「ボール球はストライクゾーンから大きく外れ、ストライクを取りにいくとゾーンの真ん中に来た。この状況では、どんな投手でも投球をコントロールするのは難しい。菊池はこの夜を通じ空振りは1つしか奪えなかった。カーブもまとまりに欠け、13球中ストライクは、わずか6球で、意図的にボールを投げた分けたわけでもなかった。スライダーは最低限の効果は発揮したが……」と分析した。 その上で次戦のオープナー起用を提言した。菊池は契約時に肩、肘への負担を減らすため、1年目はオープナー起用を挟むことでメジャーでは通例の中4日登板の影響を少なくすることが約束されており、4月26日のレンジャーズ戦では、先発したが1イニングでマウンドを降りて、事実上、登板間隔を空けてもらった。 同記事によると、菊池は、そのレンジャーズ戦前に6度先発しており、オープナー起用後の5月3日のインディアンス戦では7回1失点、続く8日のヤンキース戦では7回2/3で1失点と今季最高の先発内容を2度続けた。「彼はオープナーの後にスライダーの改善に取り組めたと話していた」という。オープナー登板後、菊池は4試合に先発してチームは3勝している。 それゆえ「菊池は今、前回の1イニング先発から6度通常登板を果たした。次は火曜日(4日)のアストロズ戦に先発予定だが、ここが1イニング登板をさせる理想的なタイミングにあるようだ」と主張するわけだが、サービス監督は、菊池の2度目のオープナー起用がいつになるか明言しなかったという。