女優・南沢奈央が使いたい“隠語”は「オス猫を飼っている」? 世界中にある“猫のことわざ”の魅力
世界で、にゃんて言う?
にゃん、にゃん、にゃん。2月22日は、猫の日。 気のせいではなかろう。この日に向けて、書店やコンビニには猫特集の雑誌が並び、雑貨屋さんなどでも猫グッズが目立つところに陳列される。そしてまさにその日にSNSを見れば、あらゆる猫の投稿が溢れている。(わたしのインスタでは、虫眼鏡マークを押すと、いつでも猫の投稿で溢れているのだが) 猫のことを特別好きになってから、猫へのアンテナが敏感になった。街にいる猫をすぐに発見する。猫グッズにもすぐに反応する。テレビで登場してもぜったいにチャンネルを回す手を止める。 最近は、たまたまチャンネルを回していて出会った、NHKの「ネコメンタリー 猫も、杓子も。」がお気に入り。〈もの書く人のかたわらにはいつも猫がいた。〉というサブタイトルで、作家と猫のドキュメント番組となっている。 作家さんと猫さん。大好きな存在の掛け算……たまらなく良い。作家さんの創作の裏側とともに、愛猫とのプライベートな表情も垣間見ることができる。番組のために猫にまつわるエッセイも書き下ろされて、毎回さまざまな俳優によって朗読される。(いつかやりたい仕事の一つです……) どの回を見ても、それぞれの関係性がとても素敵。執筆をしているときに、膝に乗ってくる猫さんがいれば、キーボードの上を堂々と渡っていく猫さんもいる。ゲラを広げると必ず上に乗ってくるということも。かと思えば、仕事中は適度な距離を取って寝ている猫さんもいる。マイペースで個性豊かな猫さんたちの様子も見どころだが、そういった猫さんが目の前に現れて、顔がほころび、執筆の緊張感から解放される作家さんの姿にもぐっとくる。 この番組を観るたびに思う。表現が生まれるときに猫が側にいることが、なんだかとても自然である、と。
人と猫は、むかしから身近な存在として歩んできた。だからこそ、猫の特徴を使って生まれた表現は多くある。身体的な特徴を使ったものだけでも、「猫背」「猫舌」「猫っ毛」「猫足」「猫なで声」など多数あるが、日本にはことわざも多い。「猫に小判」、「猫の手も借りたい」、「借りてきた猫のよう」、「猫をかぶる」、「猫の首に鈴をつける」などなど。 猫ならではの魅力的でおもしろい特性があるからこそ、言葉が生まれる。それは日本に限ったことではなく、全世界共通のようである。その一片に触れられるのが、noritamamiさんの『世界のねこことわざ』だ。 この本は、「猫」が出てくることわざを世界中から集めた一冊となっている。そもそも世界のことわざというのを知るのは面白い。その国の文化も見えてくるからだ。それが猫縛りということだから、国によっての猫に対するイメージも知ることができて、よりおもしろい。 たとえば、「猫は魚を食べるが、水に入ろうとしない」ということわざが出てくる。猫の好物といえば魚を思い浮かべる人は多いと思うから、なんとなく意味も想像できるはずだ。だから日本のことわざかなと思うと、これは実はウクライナのことわざ。利益を得るために努力をしないことを意味する。猫の好物の認識は日本と共通なのである。「お魚くわえたドラねこ、追っかけて~」も“あるある”と理解してくれるかもしれない。だが解説によると、猫の好物は、イタリアでは「パスタ」、スイスでは「チーズ」と国の食文化よって変わるという。この本で知った、「猫の魚辞退」という日本のことわざも他国では伝わらないのかも。