約4割の企業が「台湾有事」を想定 リスクヘッジは大手と中小企業で格差
Q1.中国と台湾の緊張関係が高まっています。貴社は「台湾有事」を想定していますか?(択一回答)
◇台湾有事を「想定している」37.5% 台湾有事について、「大いに想定している」は7.4%(353社)、「少し想定している」は30.0%(1,426社)で、「想定している」は合計37.5%(1,779社)だった。 一方、「あまり想定していない」は42.3%(2,011社)、「全く想定していない」は20.1%(954社)で、「想定していない」は合計62.5%(2,965社)と二分された。 規模別では、「大いに想定している」は大企業が5.7%(452社中、26社)、中小企業が7.6%(4,292社中、327社)だった。「少し想定している」は大企業27.6%(125社)、中小企業30.3%(1,301社)で、「想定している」全体では中小企業が4.5ポイント上回った。
Q2.Q1で「大いに想定している」「少し想定している」と回答された方に伺います。なんらかの対策は講じていますか?(複数回答)
回答の最多は、「対策は講じていない」が76.0%(1,623社中、1,235社)だった。規模別では、大企業が59.5%(131社中、78社)、中小企業が77.5%(1,492社中、1,157社)で、中小企業の約8割が対応していない。 次いで、「関係国(中国・台湾)以外からの調達に切り替えた、または検討している」が10.1%(164社)、「関係国以外への販路を開拓した、または開拓を検討している」が7.8%(128社)、「関係国に依存している部材の在庫を増やした、または検討している」が3.9%(64社)と続く。 具体的な対策では、いずれも大企業が中小企業を上回った。資金力だけでなく、情報力でも大企業が優位にあるだけに、リスクヘッジへの対応力をみせている。換言すると、中小企業の個別対応はハードルが高いともいえる。
有事を想定する業種は「各種商品卸売業」「情報通信機械器具製造業」などが上位
Q1で「想定している」と回答した業種別(母数10社以上)を分析すると、最高は総合商社などを含む「各種商品卸売業」の60.0%(25社中、15社)。次いで、電子機器メーカーを含む「情報通信機械器具製造業」、旅行業などを含む「その他の生活関連サービス業」が各52.3%(21社中、11社)と続く。台湾有事の場合、関係国を中心にサプライチェーンへの影響、海外旅行需要の変化などが回答に影響を与えたとみられる。 一方、「想定していない」では、最高が「飲料・たばこ・飼料製造業」の76.0%(25社中、19社)、「技術サービス業」が72.8%(92社中、67社)、「洗濯・理容・美容・浴場業」が72.7%(11社中、8社)と続く。「想定していない」と回答した業種は、消費者対象のBtoC産業や内需型産業が目立つ。