決勝進出のリレー侍、2大会ぶりメダルへ鍵はバトン 1走1位のサニブラウン「何か持って帰りたい」 桐生も3走3位の走りと好調 決勝は3レーンに
「パリ五輪・陸上男子400mリレー・予選」(8日、フランス競技場) 2大会ぶりのメダルを狙う日本は1走サニブラウン、2走柳田、3走桐生、4走上山の布陣で挑み、今季ベストの38秒06で4着で着順での突破はならなかったが、2組終了後の結果でタイム上位2チームに残り、7大会連続の決勝進出を決めた。 【写真】角度が他国と違う 日本のお家芸“バトンパス”のスゴさがはっきり 1組に強豪が揃ったこともあり、日本は全体のタイム順でも4位。決勝はメダルを視野に入れた戦いになる。予選は1走のサニブラウンが10秒32のタイムでレーンの条件は違うものの米国のコールマン(10秒40)らを抑えてトップ。3走の桐生も8人中3位の9秒25で首位争いに加わった。各国がメンバー交代の可能性もある中、日本はこの4人で臨むことが濃厚。鍵はバトンが握ることになりそうだ。 サニブラウンは「走りは悪くなかったと思う。アメリカとトントンぐらいで渡してるので」と振り返った一方で「バトンのところでちょっと外れたかもしれない」と明かした。柳田はエース区間の2走で8番目の9秒31。緊張で「しゃべれなかった」という柳田は「まだ上げられる感覚あった。1、2走のバトンはばたついた感じがあった」とした。いかにスピードが乗った状態でバトンが渡せるかが前半戦の勝負になる。 またサニブラウンは「(全体4位のタイムは)ちょっと足りないですね。着順で入りたかった。いいレーンに入るために。明日どんなレーンに入るかが重要」と話していたが、その後、決勝は3レーンに入ることが決まった。 3走のスペシャリストの桐生はさすがの頼もしさのある走りをみせている。「もっとトップでもっていかないとメダルは取れない。ほかのチームも米国とか特にメンバー変えてくると思う。今日以上にいい走りしたい。僕と柳田はこれ(リレー)をしにきてる。ハキームくんと上山は個人で疲れてる。僕と柳田は明日もっといい走りをしないとここにきた意味がないと思ってる」と、きっぱりと言い切った。サニブラウンも「決勝は何か持って帰りたい」と、うなずいた。 予選は日本の同組には今季ベスト37秒40と断トツのタイムを持つ優勝候補筆頭の米国、東京五輪金メダルのイタリア、同銀メダルの英国と強豪が揃った中での戦い。1走サニブラウンがトップ争いを繰り広げたが、柳田がやや後退。3走の桐生が爆走し追い上げたが、アンカー上山が3着争いに競り負けた。1着は米国、2着は南アフリカ、3着は英国だった。レースから10分後の2組で日本を上回るチームがなく、決勝進出が決定。その瞬間、柳田がガッツポーズし、サニブラウンもサムズアップで喜びを表現した。 16年リオデジャネイロ五輪で銀メダルに輝いたリレー侍。東京五輪では決勝で1走の多田修平と2走の山縣亮太の間でバトンが繋がらず失格となった。東京五輪からは3走の桐生以外はメンバーが新たになり、復権に向けて、若き侍が挑んでいる。