都知事選で見えたオールドメディアの限界!動画シフトで新聞はどう生き残る?
YouTube「選挙ドットコムちゃんねる」では、毎週選挙や政治に関連する情報を発信中です。 2024年8月1日に公開された動画のテーマは……「メディアは今後どうあるべき?」 ゲストに産経新聞デジタル報道部・政治担当デスクの水内茂幸氏と元読売新聞記者で報道アナリストの新田哲史氏をお招きし、石丸伸二氏と水内氏の対談動画から見えるメディアの未来について語っていただきました。 【このトピックのポイント】 ・石丸伸二氏との対談動画は「既存メディアの垢」を落とすきっかけづくり ・都知事選でYouTubeが影響力を持ったのは従来の選挙報道が有権者のニーズを満たせなかったから ・オールドメディアは情報の確実性を担保しつつ発信の仕方を変化させることが求められる
石丸伸二氏と水内氏のノー編集対談動画が話題に
7月に公開された石丸伸二氏と水内氏の対談動画とその記事が注目を集めています。動画は約35分のインタビューを編集せずに公開したものです。 8月1日時点で再生数は82万回を超えており、水内氏は動画に寄せられたコメントについて「既存メディアへの嫌悪感とか、僕らがあまり信用されてないんだなっていうのが痛いほどわかる」とコメントしました。 今回のインタビューが行われた背景について、水内氏はあるテレビ番組における石丸氏の「一夫多妻制」発言の扱いに言及。 これは少子化対策が非常に困難なものになっている例として石丸氏が取り上げたものでした。しかし、その扱いには悪意が感じられ、それを水内氏は「長年の既存メディアの垢」と表現。 また、今夏の都知事選では、石丸氏のYouTube戦略によって多くの視聴者・読者を奪われた点も既存メディアの大きな問題点であると水内氏は感じているようです。 水内氏「ここで垢を落とす、反省すべきところは反省する(中略)。そのきっかけを作るために僕は彼と話をしたいなと。決して無益なことはなかったなと思っているんです」
新田氏も都知事選について「この先のメディアと政治の関係を占う試金石になった」とコメント。 現状、選挙報道は放送法の規定によって定型化されていると言えます。 そのため、候補者が乱立した都知事選において有権者のニーズを満たすことができず、5位の安野貴博氏が選挙期間中に行った公約のアップデートを取り上げることができないなど、様々な限界があったと新田氏は分析しました。 新田氏「石丸さんってメディアと喧嘩しているようなんだけど、実はメディアに対しても変革を促すというか(中略)彼は『マスメディアに期待します』と言っている」 今回の石丸氏と水内氏の対談動画については「大英断」と新田氏。対談動画をノー編集で公開したこと、その内容を取捨選択し記事化したものと両方を公開したことを高く評価しました。 動画と記事の公開は、取材で得た情報をどのように編集したのかというメディアの手の内を明かすような取り組みといえます。この点について水内氏は「逃げ場をなくす意味もあった」とコメント。 石丸氏からは「情報の信憑性についてはマスメディアに頼る部分もある」という話もあったとのことで、お互いに本音で語り合った対談となったようです。