近視は万病のもと!近視だと「発症率845倍」に跳ね上がる病気とは?
● 基本は眼科で定期検査 目の病気は早期発見が大切 いったいなぜ、近視になると、さまざまな目の病気を招きやすくなるのでしょうか。 それは、眼球が大きくなるため、あらゆる組織に負担がかかるからです。 近視になると目の直径(眼軸)が伸びます。 通常、眼軸は生まれたときは約16mmで、成長とともに24mmほどになります。 これよりも眼軸が短いと遠視、眼軸が長いと近視です。要は、近視があると眼球が大きくなります。眼球が大きくなるとは、目が本来あるべき長さより引き伸ばされてしまうわけです。結果、あらゆる組織に負担がかかり、白内障・緑内障・網膜剥離などの病気にかかりやすくなるわけです。 ですから近視がある人は、それ以上進ませないことが肝心です。 なぜなら、大人になっても近視が進むことがあるからです。特に、手元を視る生活が長かったり、屋外で過ごす時間が少ないという人に、その傾向が視られます。 よく聞くのが「これまで営業職だった人が内勤になり、パソコンを使う機会が増えて近視が進んだ」という例です。 目によくない生活習慣が近視を悪化させる要因なので、手元でものを視る時間を少なくしたり、仕事中にこまめに休憩を取り入れて遠くを視るなどの工夫が有効です。 目の病気の早期発見を心がけることも大切です。基本は眼科で定期検査を受けること。難しい場合は「眼底カメラ」を健康診断の際に受けるようおすすめします。これは緑内障を初期から発見できる検査です。 10分ほどで体への負担はありません。 そしてお子さんの場合、日常生活で日光を浴びて外で遊ぶ時間を増やすことです。外遊びには「遠くを自然に視る」というメリットもありますし、昨今は「日光を浴びることが近視の抑制になるのではないか」ともいわれます。また外で遊ぶ分、部屋の中で本を読んだり、ゲームをしたり、タブレットを眺めたりする時間を減らせます。
平松 類