ソフトバンク・板東湧梧インタビュー 少しずつ、嫌なピッチャーに
1年目には遠かったマウンドで今、しっかりと腕を振る。結果ばかりを追い求めて苦しんでいた自分はもういない。新しいフォームから投じられる強いボールを自信に、何としても一軍に食らいついていく覚悟だ。 ※成績・記録は8月30日時点、取材・構成=菅原梨恵、写真=湯浅芳昭、BBM 昨シーズン終盤に行ったインタビューで語ったのは、プロの世界で戦っていく上での自らの力不足だった。今年もスタートした時点ではたくさんの課題と向き合いながら、どうしたら上のステージで投げられるのかを悩む日々。新型コロナウイルスの影響により開幕が延期となる中、1つのきっかけから一軍への道を切り開いた。 ──2年目の今季は、一軍初登板を果たして初勝利も手にするなど、ここまで着実に成長を見せています。 板東 一軍のマウンドに上がることをずっと目標にやってきたんで、まずそれが達成できてホッとしています。今はもっとずっと一軍にいたいなという気持ちと、チームの役に立てるポジションに就きたいなという欲も出てきました。 ── 一軍のマウンドは、ファームのマウンドとは違う。 板東 やっぱりずっとあこがれていた場所だったので、その分、緊張もしましたし、楽しさもありました。 ──今もまだ緊張はしますか。 板東 初登板に比べたら落ち着いてはきましたが、そうですね(照笑)。でも、その緊張がなくなったらダメだなとも思うんです。 ── 昨季は最後まで一軍に上がることができず、悔しい思いをしました。今季に向けて、オフはどのように自身の投球と向き合ってきましたか。 板東 昨季はとにかく自分の力を出せていなかったので、まずゼロに戻るというか、社会人時代のいいときに戻すイメージで練習に励みました。あとは、しっかり体をつくることを目標にやっていたんですが、実はあまりうまくはいかなくて……。(春季)キャンプが終わってオープン戦が始まってからも、全然良くはなかったです。 ──厳しい状況から、一軍昇格をつかむまでに何があったのでしょうか。 板東 ターニングポイントになったのは・・・
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週刊ベースボール