ニッポン企業の生きる道 パナソニック復活への道筋【WBSクロス】
失われた30年を経て、日本経済はどこへ向かうのか。創業100年を超える巨大企業「パナソニックHD」のトップがいま打ち出すのは“環境重視”。世界市場で勝ち残る道筋をどう描いているのか、経営トップを直撃しました。 パナソニックホールディングスの本社で行われた入社式。 「今、パナソニックに必要なのは革新。その革新は道半ばにある」(パナソニックHDの楠見雄規社長) 入社式で訓示した楠見雄規社長。グループ従業員23万人、売上高8兆円の巨大企業を率いるトップです。その楠見社長を豊島キャスターが直撃しました。 「これが松下幸之助さんの像」(豊島晋作キャスター) 「面と向かうと怒られるのではというような、それくらい私にとって偉大な存在。『今、君ちょっと足らんのちゃうんか』と天の上から見ておられるのでは」(楠見社長) パナソニックの創業者は、経営の神様と呼ばれた松下幸之助氏。1918年、23歳で起業しました。当時の代表作が二股ソケット。電球とアイロンなどの電化製品が同時に使えるもので、大ヒットしました。 その後、テレビ、冷蔵庫、洗濯機の三種の神器を始めとした生活家電を発売。日本を代表するグローバル企業に成長しました。幸之助氏が唱えたのは「物心一如」。ものと心の豊かさが相まって初めて幸せに繋がるという考えです。 「(当時)ラジオは高価なものだった。それを一般の人でも手に入るものにしていく。自分たちの事業の形をそのときの社会課題に合わせて変えながら、それを繰り返してやがて物心一如の世界を実現する」(楠見社長)
しかし、幸之助氏が死去した1989年以降、バブル後の失われた30年を象徴するように業績は低迷。ここ30年の株価を見るとパナソニックはほぼ横ばいで、ソニーグループや日立製作所は大きく上昇し、差がついています。 「『30年間成長しなかった』のはなぜか」(豊島キャスター) 「短期的な利益を強調するあまり、上意下達のカルチャーになってしまった。何かおかしいと思っても、言われた通りに仕事をするのが常態化している。こんな会社が成長するわけがない」(楠見社長) 「ソニーと日立は復活した。パナソニックは自身が社長の間に復活させるか」(豊島キャスター) 「成し遂げる。それができなければ株主から退任を要求される」(楠見社長)