プロ野球成績の“最強世代”は松坂大輔世代でも大谷翔平世代でもなく…村田修一や鈴木誠也もスゴいが「野球殿堂、2000安打が各4人」世代とは
小谷野は高校野球の前から松坂の関係性が
村田は横浜時代に本塁打王2回。NPBキャリア最終年の2017年、巨人で100安打を打ったものの戦力外になった。東福岡高時代は九州を代表する投手だったが、甲子園で松坂大輔と投げ合い、松坂のすごさにショックを受けて大学から野手に転向したというエピソードを持つ。 松坂と同じ1998年のドラフト1位で広島に入団した東出も高校時代は投手だったが、内野手に転向。リーグを代表する二塁手になった。 高校野球の前から松坂との関係性が強かった選手が、小谷野だ。 小谷野は中学時代、江戸川南リトルシニアで松坂大輔のチームメイトだった。創価大からドラフト5巡目で日本ハムに入団。長打こそ少なかったがクラッチヒッターで、2010年に打点王を獲得している。1000本安打を記録したのは以上の3人だった。 梵は日産自動車時代、社会人を代表する遊撃手となり、広島入団後は同世代の東出と二遊間コンビを組んだ。森本は帝京高時代、甲子園で浜田高の和田毅から本塁打を打った。日本ハムでは守備範囲の広い外野手として活躍。渡辺は三菱ふそう川崎からドラフト5巡目で楽天に。遊撃を中心に内野ならどこでも守れる汎用性の高い内野手として、のべ4球団で活躍。40歳までプレーした。
後藤、小池、小山…松坂と横浜高校で戦友の3人も
松坂が在籍した横浜高からも、チームメイト3人がプロ入りした。 後藤は法政大を経てプロに。西武の右打ちの強打者として活躍が期待されたが、同タイプの中村剛也の成長もあり、代打の切り札的な存在になった。今季は楽天の打撃コーチ。小池は大技も小技もできる打者として、横浜時代の2005年には20本塁打、リーグ最多の37犠打を記録。来季から中日で打撃コーチを務める。 松坂と甲子園でバッテリーを組んだ小山良男も亜細亜大、JR東日本を経て2005年ドラフト8巡目で中日に入団。しかし通算9試合の出場にとどまり、ブルペン捕手になっている。 中軸を打った強打者あり、守備の名手あり、控え選手あり。松坂世代の選手は、野手も実に多様だ。世代間のつながりは強い。近鉄、オリックス、横浜、最後はソフトバンクでキャリアを終えた大西宏明は、今は独立リーグ堺シュライクスの監督を務めているが、こう語っていたことがある。 「僕が大阪市内に焼き肉店を開店した時に、大輔が食べに来てくれたんです。うれしかった」 松坂世代でプロ野球の一軍の試合に出場したのは、投手41人、野手37人の78人。200勝、2000本安打をクリアした選手はついに出なかった。今後、指導者として業績を上げれば「殿堂入り」する人も出てくるかもしれないが、今のところ厳しい状況だ。
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