「地域生活圏」形成を支援 モデル事例創出へ 国交省
国土交通省は、地方の人口減少に対応するため、市町村の境界を越えて日常生活に必要な機能を維持する「地域生活圏」の形成を支援する。 高齢者の買い物の手助けやオンライン診療の導入など、地域課題の解決に向けた官民協議会の事業を後押しし、モデルケースの創出を目指す。 政府が近くまとめる総合経済対策に盛り込み、2024年度補正予算案に関連経費を計上する方針だ。 地域生活圏は、デジタル技術を使って暮らしに必要なサービスを持続的に提供する圏域。昨年7月に改定した国土形成計画に盛り込まれた。市町村の境界にとらわれず、人口10万人を目安に形成する。 支援する地域は10カ所程度を想定し、公募で選ぶ。地元企業や自治体が立ち上げる協議会を対象に、事業の検討やデジタル技術の導入、人材育成などに必要な費用を補助する。複数の市町村が連携する場合には、補助の上乗せを検討している。協議会に地域金融機関が参画すれば、採択で優遇する案もある。 圏域内では、交通や医療、教育といった複数の分野で事業を展開することを想定。ドローンによる配送やオンデマンド交通の導入、エネルギーの地産地消などが考えられる。 国交省は取り組みを通じて、企業の参入や資金の呼び込みを狙う。地域経済が循環する仕組みの構築につなげたい考えだ。