エンバペ、ロドリゴ、ヴィニシウスが決めた!レアル・マドリーがインターコンチネンタルカップ優勝…アンチェロッティはクラブ最多優勝監督に
18日にカタールのドーハで行われたインターコンチネンタルカップ決勝、レアル・マドリー(スペイン)対パチューカ(メキシコ)は3-0でマドリーが制した。 1960年に欧州王者対南米王者がホーム&アウェーで対戦する形式で始まったインターコンチネンタルカップ。1980年からは東京を舞台とした一発勝負の大会となり、2004年のポルト対オンセ・カルダス(PK戦でポルトが勝利)を最後に終了。その後、各国大陸王者が会するクラブ・ワールドカップに誕生している。 そして2024-25シーズン、クラブ・ワールドカップが32クラブ参加の大会に生まれ変わって6~7月に開催されることになり、それに伴い少し歪な形ではあるがインターコンチネンタルカップが復活。2回戦で南米王者ボダフォゴ(ブラジル)、準決勝でアフリカ王者アル・アハリ(エジプト)を下した北中米カリブ海王者パチューカが、決勝から参加する欧州王者マドリーに挑むことになった。 過去にインターコンチネンタルカップを3回、クラブ・ワールドカップを5回制している絶対的本命のマドリーは、GKクルトワ、DFルーカス・バスケス、チュアメニ、リュディガー、フラン・ガルシア、MFロドリゴ、バルベルデ、カマヴィンガ、ベリンガム、FWエンバペ、ヴィニシウスを先発で起用している。 前半、立ち上がりにパチューカの攻勢に遭い、クルトワの好セーブも引き出されたマドリーだったが、時間が経つに連れてボールを自分たちのものにする。が、プレーリズムやインテンシティーは決して高いとはいえず、パチューカの4-4-2の守備ブロックをなかなか崩せない状況が続いた。 しかし一瞬でも相手の隙を見つければ、そこで選手たちが超絶クオリティーを発揮して、ゴールをかっさらうのがマドリーである。今回、その瞬間は37分に訪れたが、まさに圧巻の連係と個人技だった。バルベルデの縦パスをライン間のベリンガムが受けると、すぐさま前線にスルーパス。ボックス内左でこのボールを受けたヴィニシウスは、キレのあるシザースフェイントによってGKモレノをかわしてから横パスを送り、エンバペが無人のゴールにボールを押し込んでいる。 1-0で試合を折り返したマドリーは、53分にロドリゴが追加点を獲得。背番号11はボックス手前右から左に並行移動し、切り返してから右足を一閃。しっかりとコースを突く抑えの利いたボールが、モレノの横っ飛びも空しく勢いよく枠内右に飛び込んでいる。その直後には、オフサイドポジションのベリンガムがモレノの視界を遮っていた可能性が指摘されたが、オンフィールドレビューの結果、ゴールが認められている。 リードを広げたマドリーはその後、ポゼッションとカウンターを織り交ぜた攻撃で追加点を狙う。アンチェロッティ監督は61分にエンバペ、カマヴィンガを下げてセバージョス、ブラヒムを投入。さらに70分にはロドリゴとの交代でモドリッチをピッチに立たせた。 終盤、パチューカの決定機をほぼ許さずに試合を進めるマドリーは、82分にボックス内でルーカス・バスケスが倒されてPKを獲得する。キッカーを務めたのは前日にFIFA最優秀選手賞The Bestを受賞し、この試合でも個人技から6万人の観客を何度も沸かせたヴィニシウス。背番号7は、大胆にもゴール中央にグラウンダーのボールを蹴り込み、見事ゴールしている。この試合でアシストも記録していたヴィニシウスは、マドリーの選手として臨んだ12回の決勝で13ゴール(8ゴール5アシスト)を生み出しており、驚異的なポテンシャルと勝負強さを誇示している。 マドリーは最後まで試合を支配しながら試合終了のホイッスルを聞き、通算4回目、旧クラブ・ワールドカップ含めれば通算9回目のインターコンチネンタルカップ優勝を果たした。すでにUEFAスーパーカップで優勝している同チームにとっては今季二冠目で、スペイン・スーパーカップ、コパ・デル・レイ、ラ・リーガ、チャンピオンズリーグ、クラブ・ワールドカップを制することで最大七冠を達成できる。 なおアンチェロッティ監督にとっては、マドリーでの15個目のタイトル獲得。1948年から1958年まで同チームを率いた故ミゲル・ムニョス氏のタイトル獲得数を一つ上回り、クラブ史上最多優勝監督となった。