プロ野球の契約更改の額ってどうやって決まる?
シーズンが終わると、これらを総計して選手それぞれの査定ポイント、点数というものが弾き出されることになるが、そのポイントに応じた金額は、いくら?というような数式がないから話はややこしい。そもそも、ベースの違い、成績の継続性、チーム内の他選手とのバランス、チーム成績が、大きく影響され、そして西武の秋山が評価された人気料、看板料のような形にならないプラスポイントもあるからだ。 現役時代、契約更改で交渉上手で知られた元千葉ロッテの里崎智也氏は、「そもそもプロ野球の査定にきっちりした計算式はありませんからね。査定担当のさじ加減ひとつ、まあ、どんぶり勘定なんですよ。例えば、よく言われる期待料や、ファンサービス査定って、どういう物差しで決めるんですか。メディアに露出して、チームの人気をアップさせることに貢献しましたってイメージでしかないんです。、何枚サインした。何人と握手した。テレビに何回出た。その効果はどうだったかをちゃんと調べてデータ化して査定に反映させることは無理でしょう。結局、1億5000万円の選手と、2億円の選手の違いを論理的に説明できる球団なんてないと思います」と言う。 里崎氏は、現役時代、どんぶり査定を逆手にとって、アップ条件をいくつか用意して、更改に臨んだそうで、盗塁阻止率の低下をマイナスポイントにあげたフロントサイドに、それらがピッチャーのクイックモーションの拙さが影響していることを論理的に説き、まるめこんだこともあるとか。どの球団にも、どんぶり査定の要素は、色濃く残っていて、フロントサイドも、ある程度の上げ幅を持って、最初に金額を提示してくる。その昔は、保留する度に100万円アップするという“保留したもの勝ち”で有名になった球団もあった。 「球団の資金力によっても大きく違ってきます。ほぼ同じ数字を残した選手の年俸が一緒にならず、年数を重ねるごとに差が出てくるのはそういうことです。ただ最終的に言えることは、球団がこれだけ出すと提示しそれを選手が納得すれば、額がいくらであろうが、それが妥当だと言うことでしょう」と、里崎氏。 この先、2人のトリプルスリー、ソフトバンクの柳田、ヤクルトの山田、阪神の藤浪、横浜DeNAの筒香ら注目の大型契約更改が控えているが、プロ野球の契約更改が、まるでブラックボックスのように、その中身がよくわからないことだけは確かである。