新型マセラティ・グランカブリオは、タイムレスな美しさを放つ! 3120万円の豪華オープンカーに迫る
マセラティの新型「グランカブリオ」は、優雅でスポーティなオープンカーだった! 大谷達也がリポートする。 【写真を見る】新型グランカブリオの美しすぎる内外装(18枚)
頑丈なボディ
最新のマセラティ・グランカブリオに試乗した。 率直にいって、屋根が開閉できるグランカブリオと屋根が固定された「グランツーリズモ」は技術的にほとんど同じ内容で、試乗した印象もよく似ている。けれども、これは驚くべきことだ。そして私は、グランカブリオにすっかり惚れ込んでしまった。 なぜ、グランカブリオとグランツーリズモの印象が似ているだけで驚かないといけないのか? 屋根のついたクルマは、例えるとしたら“4本の柱”で四角形を組んだようなもので、頑丈な構造が作りやすい。ところが、屋根が開閉できるコンバーチブルは、四角形だった4本の柱から1本を取り除いたようなもので、強度的に頼りなくなりやすい。 ところが、グランカブリオはボディの丈夫さがグランツーリズモとまるで変わらなかったのだ。なにしろ、普通のコンバーチブルだったらボディが“ブルブル”と、震えてもおかしくないような荒れた路面を走っても、グランカブリオは、突き上げられようとするタイヤを逆に押し返そうとしていることがハッキリとわかるくらい、ボディが頑丈なのだ。 まぁ、このくらいボディが頑丈なコンバーチブルがほかにないわけでもない。でも、いくら“3本の柱”を特別に太くしても、そして柱と柱が交差する部分を頑丈に結びつけても、振動の伝わり方が“3本の柱”と“4本の柱”と、異なるのは、ある意味で仕方がないこと。このため、荒れた路面でいくらボディがブルブルと揺れなくても、ステアリングの取り付けが甘く感じられたりすることが少なくない。 でも、グランカブリオにはそれさえないのだ。だから、ハンドリングは正確だし、乗り心地だってグランツーリズモとまったく変わりないほど。それを“3本の柱”で実現したところが、グランカブリオのすごさといって構わない。