『虎に翼』岡田将生×高橋克実の抱擁に込められた戦争の傷跡 航一の“罪”とは何なのか
航一(岡田将生)が背負い続ける“罪”とは何なのか
大会が終わった後、そのまま寅子と優未、航一は店の名物の刺身を食することに。刺身を楽しみにしていた優未はご満悦の様子。寅子は杉田兄のことを思い返し、「時が流れるのを待つしかないんでしょうか? 裁判官としても、人としても戦争で心に傷を負った人たちに寄り添いたいものですね」と航一に話しかける。寅子が聞きたかったのは、航一が杉田兄を抱きしめながら言った「ごめんなさい」の真意。想定済みというようなニッコリ笑顔で待ち構える航一に、寅子が「戦時中に何か……」と問いかけると、航一は人差し指を唇に近づけ「秘密です」と返す。言うまでもなく内緒のポーズ、だが惚れ惚れするほど横アングルからのシルエットが美しい。 会計のために部屋を出た航一の顔からは笑みが消えている。解放、溝、よりどころ。次週の予告には「その罪を僕は誰からも裁かれることなく生きている」という航一のセリフがある。暗い過去を背負い生きる航一のよりどころとして、寅子は溝を埋めていくことができるのだろうか。
渡辺彰浩