老後を迎えた日本人のほとんどがやっている「大失敗」…退職後がこんなに退屈な「決定的な理由」
自分中心でいい
今、老後の生きがいや終活について、メディアではいろいろと言われていますが、「皆が言っているから生きがいをもたなきゃいけない、皆がやっているから終活をしなきゃいけない」という考え方になると、生きていくのが苦しくなってしまうように思います。 もちろん自分の人生ですから、自分が納得するようにやってみる価値はあるでしょうが、「皆が」という言葉に惑わされてはいけません。 「皆とは誰のことなんです? あなたは世界中の人を調べてそう言っているんですか?」と、言い返せばいいのです。 だからといって、「自分はこう思っているから、家族や友人も皆、同じように思っているだろう」と、自分中心にものごとを考えて判断するのもよくありません。 見るもの、聞くものを自分のこととしてとらえ、関心のあることをもっと深く知るためにいろいろな情報を集め、そこからさらに考えて自分なりの見方をしていこうとするのが、本当の意味での「自分中心の考え方」です。そういう考え方をすることは、老後をよりよく生きていくためにも、非常に大事なことだと思います。 日本では歳をとることにマイナスイメージがありますが、そんなことはありません。 年齢を重ねるにつれて経験の数は増し、知識も増えていくので、的確な思考と判断ができるようになるし、人間関係の広がりや深みも増し、人格も円満に練られていきます。 世の中の変化に対応していこうという意欲や好奇心を失わず、日々の努力を続けていく限り、失うものよりも得るもののほうが圧倒的に多いはずです。 身体が欲する限り働き、読書や学びを通して知識を吸収していけば、生きがいは自然と見つかります。 さらに連載記事〈ほとんどの人が老後を「大失敗」するのにはハッキリした原因があった…実は誤解されている「お金よりも大事なもの」〉では、老後の生活を成功させるための秘訣を紹介しています。
丹羽 宇一郎