【ノア】齋藤彰俊 11・17引退試合で最後のバックドロップ〝解禁〟「丸藤選手と三沢さんが立つ姿を見たい」
ノアの齋藤彰俊が、最後のバックドロップに込める思いを明かした。 17日の引退試合(愛知・ドルフィンズアリーナ)では、天才・丸藤正道(45)とシングルマッチで対戦する。14日の会見では、「三沢(光晴)さんと、丸藤選手を通して最後に戦える日なんではないかなと」と最後の相手に選んだ理由を説明。すると丸藤から「自分の人生の中で最初で最後、三沢さんを背負って齋藤さんと戦いたいと思いました」という言葉を引き出した。 齋藤は「ああいうことを初めて聞きました。逆に、口にさせてしまったのは、どうだったのかなという感じで…。心にはずっと秘めていたと思うんですよね。ただそれは表に出すものではなく、心にしまった上で背負っているものだったのでしょうけど」と複雑な表情を浮かべながらも、対戦相手の心意気に感謝の気持ちを示した。 丸藤とは対照的に、引退試合に臨む齋藤はあえて「三沢さん」というワードを出した。「どうしても避けられない部分があって」。2009年6月13日広島大会のタッグ戦、試合中のアクシデントで帰らぬ人となった三沢さんの最後の対戦相手を務めたのが齋藤だ。 あの日以来、ついにリングでの〝対峙〟がかなう三沢さんに届けたいものがある。「自分が今までやってきたこと、2009年から15年、考えて戦ってきたことを全て出すしかないですよね。最後の提出だと思うんですよ、採点はまだもらえませんけど。合格発表を自分の余命で待つという感じですね」と口にし静かに遠くを見つめた。 15年前、三沢さんに最後に出した技はバックドロップだった。一時は封印したこともある同技はその後、特別な相手、舞台だけでしか使用していない。 「最後、バックドロップを…。多分それは出そうと決めていて、ここで出さなきゃとかそういうのとは違って、自然に出るもんだろうなって思っています。ただ…」と言った齋藤は、すぐにこう続けた。 「もしその時にバックドロップを出すとすれば、丸藤選手と三沢さんは立ってくるだろうなと。本当は決め技に近い感じなんですが、その立つ姿が見たいというのがありますね」 さまざまな感情を胸に、いよいよ最後のリングに向かう。
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