内田理央・松井玲奈主演「嗤う淑女」原作で重要な一話を抜かしてる? 改変の理由とこの先の展開に期待大! 稀代の「悪女」が「淑女」とされたワケとは
■原作から大胆に構成を変えたドラマ、でもそれだけじゃなくて……
このドラマの改変が面白いのは、原作を読んでいても完全には先が読めないところ。というのも、原作で極めて重要な部分がまだ放送されていないのだ。 ドラマで少しずつ明かされつつある恭子と美智留の中学時代。原作ではそれが第1話に当たる。クラスでいじめを受けている恭子、そこに転校してきたいとこの美智留。いじめのターゲットは恭子から美智留に移るが、美智留はおそるべき方法でいじめの首謀者に制裁を加える。その後、難病にかかった恭子は美智留からの骨髄移植で命を救われたのをきっかけに、どんどん美智留に傾倒していく。そして美智留が父親から虐待を受けているのを知って──。 この原作第1話の流れは、ドラマの回想場面でおおよそ網羅されている。細かい違いはあるものの、原作通りの過去がふたりの間にあったことは見当がつく。だがここで不思議なのは、ドラマの冒頭のふたりの再会が17年ぶりだったこと。そしてその再会で、恭子が美智留を怖がっていたこと。これは原作にはない設定である。 原作のふたりは中学卒業からずっと交流を続け、美智留が始めたコンサルティングの仕事を恭子が手伝っている。恭子は美智留に憧れ、彼女のようになりたいと思い、恋愛にも似た気持ちすら抱いているのだ。この違いにはきっと何か意味があるはずなのだが……。 そしてふたりにからんでもうひとつ。原作では第1話がふたりの中学時代、第2話が横領する銀行員(ドラマ第1話)、第4話が夫に保険金をかける主婦(ドラマ第2~3話)という流れ。原作第3話がドラマではとばされているのである。実はこの第3話がめちゃくちゃ重要で、物語自体を大きく動かす上に終盤のサプライズに向けての特大の伏線が仕込まれている話なのだ。これをやらないということは、もしかしたら結末を原作と変えるのか? それともこのあと出てくるのか? 原作既読でも先が読めないと言ったのは、そういう意味だ。