なぜ大麻を推奨? EURO開催地ドイツの警察が国外サポーターに異例の訴え「アルコールを飲むと人は攻撃的になる」
去る6月14日にミュンヘンで幕開けとなったEURO2024。大国ドイツで開催される今大会は、24か国が欧州の頂点を巡る争いを繰り広げる。 【動画】スタジアムを破壊! 暴徒化したイングランド・ファンの様子 開幕戦でドイツが5-1でスコットランドを撃破する形で始まった大会は早くも活況を呈しており、各国からサポーターが集結する国内にもあらゆる影響が出始めている。そうした中で、警察当局から“異例のお願い”が飛んだ。 現地時間6月15日、日刊紙『Mirror』など複数の英メディアは、ドイツ警察は「アルコールを飲んでいるグループと、大麻を吸っているグループがいたら、もちろんアルコールを飲んでいるグループに注意を向ける」と発表。路上などで飲酒をする集団に対する警戒を強める意向を明らかにした。 これは危険視される一戦に対する懸念を示した発表だ。6月15日には「高危険度」に分類されているイングランドとセルビアのグループリーグ開幕戦がゲルゼンキルヒェンでキックオフ予定となっている。地元警察は、最大4万人が来場するとされている前者と500人のフーリガン組織を含む5000人が来る後者の両サポーターの衝突に恐れているという。 無論、収益上の問題から飲酒を完全に禁ずることは不可能だ。ゆえに地元警察も特定の試合開催時に、スタジアム、ファンゾーン、街の一部でアルコール度数の低いアルコール飲料を提供するなど対策を講じる予定ではある。しかし、限界はある。 サポーターの暴徒化に危機感を強めるドイツ警察の広報担当であるステファン・クニップ氏は、今年4月1日から国内で大麻が合法化された事実を紹介して「どの国であろうとファンが路上で大麻を吸うのは問題ない」と指摘。「アルコールを飲むと人は攻撃的になり、大麻を吸うと落ち着くものだ。我々は暴力を防ぎ、人々の安全を守ることを最優先としている。飲酒して暴力を振るう可能性のあるファンに焦点を当てるつもりだ」と断言している。 果たして、ドイツ警察が公表した“異例の求め”はどのような効果を生み出すのか。ともかくイングランドとセルビアの一戦が無事に終わることを願うのみだ。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]