平畠啓史チョイス“至極の11人”|ゲームを決めるゴールにアシスト。宇佐美貴史から目が離せない。三浦颯太は走り出しただけで見る者に期待感を抱かせる【J1月間ベストイレブン10月】
真のビッグプレーだった川島のPKストップ
芸能界屈指のサッカー通で、J1からJ3まで幅広く試合を観戦。Jリーグウォッチャーとしておなじみの平畠啓史氏がセレクトする「J1月間ベストイレブン」。10月の栄えある11人はどんな顔ぶれになったか。 【画像】サポーターが創り出す圧巻の光景で選手を後押し!Jリーグコレオグラフィー特集! ――◆――◆―― 代表戦もあり、試合数が少なめかつバラつきがあった10月のJ1リーグ。ゆえに、順位や数字などあまり気にせず(いつもあまり気にしていなけど)、平均点的なことより、インパクトやシーズン終盤のプレーの重みを重視して勝手にベストイレブン、MVPをセレクトします。 スタメン起用から無失点が続き、今月2試合も無失点だったアビスパ福岡の永石拓海は安定のパフォーマンス。鹿島アントラーズの早川友基も10月、2試合無失点と結果を残した。ただ、10月のベストイレブン、GKはジュビロ磐田の川島永嗣。34節・セレッソ大阪戦。2-1のリードで迎えたアディショナルタイム。C大阪にPKが与えられ絶体絶命のピンチ。そこに立ちはだかったのが川島。見事にPKを止めチームに勝点3をもたらした。 試合終了の瞬間、チーム全員が川島のところに集まり感情が爆発。その輪の中で吠える川島の表情が感動的だった。厳しい順位状況には違いないが、チームに関わるすべての人に希望をもたらしたPKストップは、単なる1試合というよりシーズンを通しての真のビッグプレーだった。 DFの右にはサンフレッチェ広島の中野就斗。湘南ベルマーレ戦のゴールは強烈。攻守両面でのプレーの強度そして迫力。巧みなドリブル。あらゆるプレーのレベルが高い! 左には川崎フロンターレの三浦颯太。33節・FC町田ゼルビア戦、アンダーラップからの攻撃参加で左サイドを制圧。攻撃参加のタイミング、スピードそして左足のキックの精度。走り出しただけで見ている者に期待感を抱かせた。 CBは東京ヴェルディの綱島悠斗と湘南の大岩一貴。188センチの長身ながら足もとの技術も確かな綱島。複数のポジションをこなせるが、3バックの右に配置され、ヴェルディの攻撃に厚みを加えている。34節・浦和レッズ戦では2ゴール。守備でもビルドアップでも能力の高さを披露している。 大岩がスタメン復帰してから3連勝の湘南。逆転勝利した34節・広島戦。前半は広島のペースだったが、リズムを変えたのは3バックの右からリスクを負って攻撃に参加する大岩のランニングだった。その動きは他の選手に勇気を与え、スタジアムの空気を変えた。ゴールに関わったわけではないが、首位広島に対し立ち向かう大岩の姿勢はゴールと同じくらい価値のあるものだった。