「医療事務」と「調剤薬局事務」の年収差は?業務の違いも詳しく解説
医療現場で働きたい場合に「医療事務」と「調剤薬局事務」のどちらがいいか迷う方もいるでしょう。いずれも資格は必須でなく、誰でもなれるチャンスはありますが、両者の違いも理解したうえで自分に合ったほうを選ぶことが大切です。 そこで今回は、医療事務と調剤薬局事務の業務の違いや年収差について調べてみました。医療現場での仕事を検討している方は参考にしてみてください。 ▼会社員で「年収1000万円」以上の割合は? 大企業ほど高年収を目指せる?
医療事務と調剤薬局事務の業務とは?
厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」を基に、医療事務と調剤薬局事務の業務について解説します。 まず、医療事務は「医療機関において、診療報酬を請求するための書類の作成を行ったり、窓口において、外来の受付、医療費の請求、入退院の手続などを行う」仕事であると記されています。 患者のカルテを見てコンピューターへの入力を行うほか、窓口では外来患者との対応も多くなると考えられます。集中力を切らさずに丁寧かつスピーディーに仕事をし、外来患者には臨機応変に対応する能力が求められるでしょう。 次いで、調剤薬局事務の業務は「医師の指定した薬を買い求めに来店する患者の処方箋を受付け、レセコンに入力するなど窓口業務を処理する」ことです。 患者の個人情報や体調に関するアンケート記入を依頼したり、薬剤師の補助、伝票入力、薬局のPOP作成などを行ったりと、幅広い仕事を行います。患者の病状を気遣った明るい対応や、薬剤師とのスムーズなコミュニケーションが求められます。 いずれも特に学歴や資格は必要ありませんが、医療事務の場合は専門学校や通信教育などで薬価点数や診療報酬点数の換算方法、請求書の作成などを勉強してから入職した方がスムーズでしょう。調剤薬局事務は、主要業務でパソコンを使うためパソコンスキルが求められます。
医療事務と調剤薬局事務の年収
医療事務と調剤薬局事務の年収については、勤務先や雇用形態などによって待遇が異なるため、一概にはいえません。厚生労働省の「jobtag」を基に両者の全国平均賃金(年収)を比較すると以下の通りです。 ・医療事務:478万3000円 ・調剤薬局事務::478万3000円 上記データから、両者の給与の差はないことが分かります。 なお、国税庁長官官房企画課が実施した「令和5年分民間給与実態統計調査」によると、給与所得者の平均年収は460万円(男:569万円/女:316万円)であり、医療事務や調剤薬局事務の年収は平均的であるといえます。 医療事務の勤務先は病院・診療所などで、職場は全国に広がっています。病院の開院時間に勤務して、診療が休みの日は休日になることが一般的です。調剤薬局事務の勤務先は調剤薬局で、2021年時点では全国に約6万店あるようです。 職場によってはボーナスや退職金が支給される場合もあるため、就職活動を行う際は待遇や労働条件を確認するといいでしょう。