前向きに勉強に取り組むことができるようになる!自己効力感を高める4つの方法
勉強が続かなくて悩んでいませんか? オンライン個別指導塾「となりにコーチ」の代表講師・粂原圭太郎氏の著書『科学的アプローチで勉強がとまらなくなる ストレスフリー勉強法』によると、「脳科学的に正しい勉強法がある」と言います。一体どんな方法でしょうか? 本書から一部を紹介します。
自分で考えながら誰かに話すと、脳が意識的に育つ
私自身が学生時代、毎日やっていた勉強法があります。ものすごく効果があるにもかかわらず、ほとんどの人がやっていません。それは、「セルフエクスプラネーション(self-explanation)」と言い、「自分の言葉で説明する」ことです。目の前に友人や家族がいれば、その人に向かって自分がインプットしたい事柄をわかりやすく話してみましょう。 話す対象は、背景知識がない人でOKです。むしろ、そのほうが嚙み砕いて説明する必要があるため、いいのです。たとえば、フランス革命を説明してみましょう。フランス革命の原因となる時代背景や社会的な要因などの解説に始まり、フランス革命がどういう経緯をたどったのか、どんな結果に終わったのか。その後の社会にどんな影響を与えたかまで説明してみるのです。 説明の仕方に正解・不正解はありません。自分で考えて話すことで脳が活性化されていきます。説明できない箇所があったら、理解が深められていない証拠です。自分の弱点と思って、内容をインプットし直し、要素を頭の中で(もちろんノートでもOK)整理しましょう。実際に「誰かに説明するの」がベストですが、身近に話せる人がいない場合は、独り言のように「自分で自分に説明する」ことでも同様の効果があります。 ただし、教科書を見ながら説明してはいけません。必ず自分の言葉を使って説明します。自分の言葉で説明すると、どんなメリットがあるのでしょうか? 人は、誰かに説明を行なう前に、脳内で情報を整理します。まとめた要点を人に伝えるために、その情報を言葉にします。すると、情報が脳内で再確認され、記憶が定着します。 脳科学的に説明すると、脳は情報を処理する際、ニューロン(神経細胞)間のシナプスが強化されます。シナプスとはニューロンの接続点のことで、ここで情報の伝達がされます。シナプスを強くすることで、長期記憶が形成され、連想力を強化したり、必要なときに適切な記憶を呼び起こしやすくしたりします。自分で考えながら話すことは、記憶の定着を考えれば理にかなっているのです。 ここから派生した方法で、「クイズを出してみる」のも有効です。周りに人がいなければ、自分への出題でもOK。クイズの正解を設定し、その問題文を考えることで、正解となる事実に対する解像度がアップします。また、いつもと違う順番で思考する新鮮さも、脳によい刺激となります。「問いを立てる」がいかに有効かわかるでしょう。 新しいことを勉強する際、「いつか誰かに説明しよう」と思っておくといいでしょう。アウトプット前提で知識をインプットすることになり、セルフエクスプラネーションがしやすくなります。実際に言葉にすると、理解ができているところと、できていないところがはっきりとします。言葉に詰まるところと、うまく説明できないところを勉強し直し、再度自分の言葉で説明してみる。これを繰り返すことで、どんどん知識が定着し、スムーズにアウトプットできるようになるはずです。