好調の阪神に浮上している悩ましい問題
だが、まだ、そこまでチームは、緊急事態に追い込まれていないし、もしそれほどまで大きなコンバートを行えばリスクを伴う。ただでさえ、キャンプの準備不足で、失策が目立っている守乱に拍車をかける事態にもなりかねない。 キャンベルを起用するならば、代打ではなく日本野球へ適応させるためにも打席数の多いスタメンでなければ意味はないのだろう。しかし、今のところ、その場所がないという悩ましい問題があるのだ。 そもそも、ゴメスに代わる「一塁の大砲」がチームのウイークポイントだったが、しっかりとしたビジョンを抱かずにフロントが編成、補強をしているから、こういう問題が起きるとも言える。 この先、キャンベルの起用法に確固たる指針を作っておかねば、そのうち、キャンベルが“話が違う”“2軍で野球をしにきたわけではない”などと反旗を掲げる可能性もなきにしもあらずだ。 チームが好調ゆえの嬉しい悲鳴といえば、角の立たない言い方だが、まだ海のものとも山のものともわからない新外国人のキャンベルとはいえ、宝の持ち腐れにならないようにしなければ、もったいない。 キャンベルをいつ、どこで使うか。今日からの中日戦に備え、金本監督はキャンベルの1軍昇格を決断しなかった。チームにプラスアルファをもたらす新外国人の起用法は、果たして、いつどんな形で発令されるのだろうか。 (文責・本郷陽一/論スポ、スポーツタイムズ通信社)