好調の阪神に浮上している悩ましい問題
阪神が首位の広島を相手にカード勝ち越しを決めて8勝5敗と波に乗っている。金本監督は、打線改造や大胆な代打策など積極的に動いているが、ここにきて悩ましい問題が浮上してきた。右手首を傷めて開幕に間に合わなかった新外国人のエリック・キャンベル(30)がファームで完全復帰。いつでも昇格OKのコンディションになっているが、1軍では使うポジションが空いていないのだ。 キャンベルは12日の2軍のソフトバンク戦から実戦復帰、当初は、本職のサードで起用され、ここまで5試合に出場、打率.308、1打点、1得点の数字を残している。 掛布2軍監督も、「一発はないが、とんでもないボールは振らない。ポイントが手前にあり、選球眼がいいので、1軍の投手に対してどうかは経験が必要だとは思うが、大崩れはしないのかもしれない。バットに角度があるので右方向にもいい打球を打つ。また二塁走者で、微妙な打球に対して、根拠のある走塁で本塁を落とした。メジャーでプレーしているだけあって野球を知っているし、三塁の守備についても不安はない」と、キャンベルを評価しているが、金本監督が1軍昇格を即決できない理由がある。 まずサードは、一時、首位打者になるほど絶好調の鳥谷敬(35)が、今や不動の存在。キャンベルは一塁でもファームで試合に出ているが、一塁には、16日の広島で決勝タイムリーを放った原口文仁(25)がいて外せない。金本監督も、原口に関しては「信頼して5番に置いている」と今のポジションを動かすつもりはない。メジャーでは、外野経験のあるキャンベルは、今後、レフトでもテストされる予定だと言うが、レフトでは、2年目の高山俊(23)が結果を出している。 キャンベルはキャンプではセカンドにも入ったが、サードの守備はうまいが、セカンドは心許ない。 そうなると、キャンベルを使うためには、原口をキャッチャーに動かして一塁を空けるか、鳥谷を本職のショートに戻して、三塁を空けて、ショートでスタメン起用されているルーキーの糸原健斗(24)をセカンドへ回すという、“ガラガラポン”の大コンバートに踏み切るしかない。