おせちの定番 特産地で「黒豆」出荷スタート 丹精した「くろう豆」味わって/兵庫・丹波篠山市
兵庫県丹波篠山市特産の黒大豆「丹波黒」の出荷が始まった。語呂合わせで「まめに暮らす」とされる縁起物で、おせち料理に欠かせない逸品。20日ごろにかけて出荷がピークを迎える。 300年以上の歴史を誇り、「日本農業遺産」にも認定されている。稲作の約6倍の時間がかかるなど、多くの手間がかかることから、「くろう(苦労)豆」とも呼ばれる上、近年は高温少雨の影響で収量が減少傾向。今年も平年より2週間ほど出荷が遅れているが、各農家が知恵を絞りながら栽培に励んでいる。
皮が破れていないかや、大きさなどをひと粒ずつ選別する作業に励んでいる中西敬司さん(75)=同市真南条中=は、「高温少雨で大変だが、毎日、畑の乾燥状態を見て水をやった結果、平年よりも出来が良い」とほほ笑み、「丹精して作ったので、ひと粒ひと粒かみしめて味わってほしい。また、『畑の肉』と言われるほど栄養豊富。お正月以外にも食べてもらえたら」。この時期は毎日黒豆を食べているという妻の美千代さん(70)も、「おかげで健康です」と笑っている。