大幅増…特殊詐欺の被害額1年で9億8000万円 AI活用の対策も…警察官が寸劇で注意喚起
長野放送
寸劇で注意喚起です。特殊詐欺被害が相次ぐ中、高齢者などを対象に被害防止を呼びかける寸劇が披露されました。演じたのは、現役の警察官です。 詐欺グループ役: 「いくらなら用意できますか?」 高齢の女性役: 「50万円なら、すぐ用意できます」 女性に忍び寄る詐欺師の魔の手…。19日、長野県下諏訪町で披露された特殊詐欺についての寸劇。演じているのは、岡谷警察署の現役警察官たちです。 被害撲滅を願って10年ほど前に「劇団 野うさぎ(=NO詐欺)」を結成し、毎年、寸劇を通じて被害防止のポイントを分かりやすく伝えています。 19日は、岡谷市と下諏訪町のシルバー人材センターの会員など、およそ100人を前に披露しました。 ストーリーは詐欺グループが、高齢の女性のもとに息子を装って「大事なお金をなくした」と電話をかけ、お金を要求するものです。 詐欺グループ役: 「どうしよう、やばいことになっちゃったよ。契約一時金で会社から預かった金がなくて、きょうの商談が失敗しちゃう。このままじゃ大損害が出て、会社が倒産しちゃう。クビどころじゃ済まないよ」 高齢の女性役: 「契約金っていくらなの?」 詐欺グループ役: 「1000万円…」 動揺する女性。さらに、息子の上司を名乗る男からもなくしたお金を支払うよう求められます。 しかし女性は、特殊詐欺の電話を見分けるAIのサービスを利用していたため、実の息子に通知が届きました。 実の息子役: 「母さん、落ち着いて。おれはきょう初めて母さんに電話したんだよ。それはたぶん『オレオレ詐欺』の電話だよ。これから岡谷警察署の警察官が母さんのところに確認に行くから」 息子と同様、AIのサービスで通知を受けた警察が駆け付け、犯人グループを検挙し、女性は被害を免れました。 県内の2023年1年間の特殊詐欺の被害は227件で前の年より29件増えました。被害額も9億8000万円と前の年より4億2000万円も増えていて、1000万円を超える高額被害も20件確認されています。 70代: 「いざとなったら、だまされずにいられるか分からないですね」 80代: 「気を付けて、今後もいきたいと思います」 相次ぐ特殊詐欺被害。警察は、「怪しい」と思ったら自分一人で考えず、すぐに他の人に話すことが重要と話します。 岡谷警察署生活安全課の課長: 「少しでも怪しいなと思ったら、すぐに電話を切って警察や家族に相談していただきたい。新しい手口も増えていますので、この機会に皆さんで注意していただきたい」
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