感謝状を受けるＭＦ小野雅史（左）

　名古屋グランパスのMF小野雅史（28）が27日、愛知県障がい者サッカー連盟に47万9447円を寄付した。小野は5月26日の京都戦（豊田ス）で左前十字靱帯（じんたい）を断裂。小野を励まそうと、グランパス選手会がチャリティーオークションを実施したが、小野が選手会の快諾を得て、収益全額を寄付に充てた。 　復帰へ向けた戦いへ、むしろパワーをもらった。重傷を負った自身のために集まった大金。「似たような、ではないが、（障害で）苦しんでいるとか、そういう思いがある人に貢献したい」と寄付することに。この日、名古屋市の鶴舞公園多目的グラウンドで開かれた「だれでもサッカー広場2024」を見学。イベントの中で、寄付の式典を行い、感謝状を受けた。 　イベントを見回る中で、視覚や身体など、さまざまな障害があっても、サッカーで笑顔になる参加者を目に。「障害がある人がこんなに楽しそうにやっている。もしかしたら苦しんでいるかもしれないが、それを見せずにいるのを見て、本当に勇気づけられた」。善意によって、かえって得るものが多かった。 　現在はランニング中心にリハビリ中。「早くスタジアムに戻って、おかえりって言われるようなプレーをしたい。自分が主役、みたいなタイプではないけど、来季はそういうふうに周りから見えるような1年にできるように、今を頑張りたい」と自身との闘いに打ち勝つことを誓っていた。