タイトルホルダーがなぜ選考漏れ? 21日開幕の競輪G2ウィナーズカップ
前S班には厳しい選考条件
3月21~24日に取手競輪場で開催される「第8回ウィナーズカップ(GII)」。1月末に出場選手が発表された。 ウィナーズカップはその名の通り「勝者の集い」。選考条件は1着回数が重視されており、車券貢献度の高い選手が選出される。 ただし、選考の特性上、前S班の選手が選考漏れしてしまう前例が多々ある。今年も先日のG1「全日本選抜競輪」で優勝し、S班即返り咲きを決めた郡司浩平をはじめ、平原康多、守澤太志も出場権を逃している(新田祐大は選出されていたが、その他欠場に)。 【ウィナーズカップ選考条件】※開催時S級在籍 (1) S級S班在籍者 (2) (1)を除く、1位回数上位30名(同数の場合は2位回数、3位回数、平均競走得点上位者) (3) ヤンググランプリ出走者 (4) 選手選考対象期間において2ヶ月以上JCFトラック種目強化指定(A)に所属した者(開催時S級1班) (5) FI決勝1~3位回数上位者(同数の場合は平均競走得点上位者) ※選考期間は2023年7月~12月の6か月 メインの選考条件となるのは(2)と(5)で、これが前S班に不利に働いていそうだ。S班はG3以上にしか出場しないため、ほかの選手に比べて「1着」の難易度が高い。(5)に関してはF1に出走しないので対象外だ。つまり「1着回数30位以内」に入ることができなければ、出場のチャンスは実質的に潰えることになる。
そのため選考期間内での競走得点は高くても、選考漏れとなってしまうケースが多い。実際、郡司は選考期間内に14勝を挙げているため、これがいかに狭き門か分かるだろう。 またS級1班でも、Gレースを主戦場としている選手には苦しい条件となる。エース級の選手が参加できないことは、同地区の選手たちにとっても痛手となりそうだ。
ウィナーズ出場選手の競走得点
今回ウィナーズカップに出場する正選手の直近の平均競走得点は107.89(3月5日時点)。最も競走得点が高いのは松浦悠士(広島)の118.40で、低いのは新田康仁(静岡)の99.12だった。5日時点では競走得点100点未満の選手は3名。先日のG1全日本選抜では100点を切る正選手はいなかったため、選考条件による変動がここにも見える。 新田康仁は今期S級1班に復帰したベテラン選手。競走得点こそ100点を下回っているが、選考期間中の1着回数は18回で、全41走のうち25回が確定板という非常に車券貢献度の高い選手である。成績を見てみると、F1でもG3でも初日1着が非常に多かった。