ボッシュ、二輪車向けに6つの運転支援技術を開発 千鳥走行を想定したACCも
独ロバート・ボッシュは、二輪車向けにレーダーを活用した6つの新しいアシスタンスシステムを発表した。このうち5つは世界初のシステムで、二輪車ライダーの安全性をさらに高める。欧州バイクメーカーのKTMから11月に発表される新モデルに4つが搭載される。 「アダプティブクルーズコントロール ストップ&ゴー(ACC S&G)」は、設定した車速の範囲内で前方車両との距離を保ちながら走行する従来の「ACC」を応用。二輪車が停止しても、ライダーがクラッチを操作する必要がなく、前方車両が動き出したら、ボタンを押すかスロットルを短く操作するだけで走行を再開できる。 「グループライドアシスト(GRA)」は、二輪車ライダーが集団で隊列をつくる「千鳥走行」を想定したもの。ACCは車線中央の走行を想定するため、千鳥走行ではACC機能の作動が難しいケースがある。このため、アルゴリズム(計算手順)の使用で千鳥走行中の集団を検知。前方の二輪車との車間距離を、速度を調整して自動的に維持する。 このほか、交通の流れがスムーズなときに、前方車両との適切な車間距離を維持して追突を防ぐことができる「ライディングディスタンスアシスト(RDA)」や、衝突の危険を検知した際にライダーが十分ブレーキをかけていない場合でもシステムがホイールブレーキ圧を上げて素早い速度低減を可能とする「エマージェンシーブレーキアシスト(EBA)」、後方状況をモニタリングして他の車両が接近し過ぎた際にディスプレーに警告を示す「リアディスタンスワーニング(RDW)」、衝突の危険がある場合にハザードランプを点灯させて後続車に警告する「リアコリジョンワーニング(RCW)」も開発した。 「基本的な安全機能に加え、二輪車特有の実際の走行状況を考慮した利便性や体験に関する機能も重視した、走る楽しさも確保する機能」としている。ボッシュの調査によると、ドイツ国内の二輪車事故を防ぐ確率は、従来のアシスタンスシステムの7件に1件が、新しいシステムでは6件に1件に向上する。