「日給は1万7000円」「毎月600枚から1800枚偽造した」 マイナカードを偽造していた中国人女性が明かした手口
健康被害も
しかし、である。そのマイナ保険証のせいで、“健康被害”が生じる恐れすらあるのだという。 「マイナ保険証導入による受付業務の負担増などの懸念に加えて、私が心配しているのは、それによって起こる健康被害です」 と言うのは、竹田智雄・全国保険医団体連合会会長だ。現在、現場ではマイナカードに健康保険証の情報ひも付けられていない等の問題が頻発しているといい、 「50代の女性が朝から急にろれつが回らず言葉を発しにくいことに気付き、私の病院に来られたことがありました。どう見ても、脳梗塞の初期症状でした。女性はマイナ保険証を持参したのですが、(不具合で)被保険者の資格が確認できなかったため帰ろうとされました。その人の場合は、家族が慌てて紙の保険証を届けに来てくれたので診療が可能になり、大きな病院でMRI検査もできた。結果、脳梗塞だと診断されたのです」(同) 患者は速やかに血栓溶解療法を施されてことなきを得たというが、 「そのまま帰ってしまっていたら、半身不随など最悪の事態につながりかねないケースでした」(同)
「こんな便利なものを廃止するなんて」
著書に『マイナ保険証の罠』がある経済ジャーナリストの荻原博子氏は、 「そもそもマイナカード発行は任意だったはず。政府はそれを普及させんがために保険証を廃止しようとしている。ですが、保険証だけは絶対に廃止してはいけません。どこでも誰でも安い料金で医療を受けることができて、更新手続きをしなくても、新しい保険証が届く。こんな便利なものを廃止するなんて、どうかしています」 憤るのも無理はない。 残りわずか半年で、政府が問題山積のこの状況を是正できるはずもあるまい。改めて提言しよう。保険証廃止はやめた方がいい。 前編では、実際にマイナカード偽造によるスマホ乗っ取りを経験した2名の議員に取材。乗っ取りが発覚した際に取るべき対応や被害額などについて報じている。 「週刊新潮」2024年6月13日号 掲載
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