見上愛&宮世琉弥の“一歩を踏み出すコツ”「本当に叶えたい夢なら、身体が勝手に動く」
恋愛が秘める「希望」と「危うさ」
ーー本作『恋愛バトルロワイヤル』の軸となるのは、男女交際禁止という、いわゆる「ブラック校則」と呼ばれるような厳しすぎる校則です。本作を観て、恋愛の魅力や危うさに思い至る方も多そうですね。 宮世 LGBTQ+のキャラクターを取り入れて、性自認や恋愛対象にまつわる問題にも向き合っている作品なので、当事者の方も含め、恋愛の悩みを抱える方の背中を押してくれるような側面もあると思います。恋愛の良い面も悪い面も取り上げている作品です。 見上 確かに、恋愛の魅力も示されているからこそ、危うさも強調される構成になっているんじゃないかと思います。唯千花のお母さん(吉田羊)が「唯千花も恋愛を通して、少し大人になったと思います」っていうセリフがあるんですが、これが作品の肝になっているんじゃないか、と。 恋愛って、一人の他者と徹底的に関わる営みだし、同時に「自分自身の内面を見つめ直す」ことでもありますよね。まだ自我が確立しきっていない高校生のころに、恋愛を通していろいろな葛藤や刺激を得ることは、自分を成長させてくれる反面、さまざまな影響も残す。それが恋愛の良さでもあり、危うさにも繋がるんじゃないでしょうか。 宮世 真木も唯千花も、恋愛を通して変わっていきます。恋愛に対するモチベーションは人それぞれだと思いますし、この作品を観た方がどんなことを感じるのか、とても気になります。 ーー恋愛を通して変化していく真木と唯千花に、共感する面もありましたか? 宮世 唯千花の弱さを見せられるごとに、真木くんがどんどん彼女に惹かれていく過程とか。あとはやっぱり、同じ目的を共有することで生まれる仲間意識みたいなものは、結びつきを強めてくれますよね。 見上 真木くんの抱える事情を、唯千花はすべて受け入れられるわけではないから、そういうモヤモヤ感には覚えがあったかもしれません。そんななかでも相手を思いやることが大事なんだって、本作をきっかけに気づけた気がします。