見上愛&宮世琉弥の“一歩を踏み出すコツ”「本当に叶えたい夢なら、身体が勝手に動く」
芝居を通して変化していく、役のイメージ
ーー撮影現場でのエピソードも教えてください。唯千花と真木が、文化祭で一緒にダンスを踊るシーンがすごく可愛らしかったです。たくさん練習したんですか? 見上 私、あんまりダンスが得意じゃないので、すごく練習しました。でも、確か2回目くらいの練習にサッと参加した宮世くんが、もう完璧に踊れていたのを見て「ウソだろ……すごすぎる……」って(笑)。 宮世 とくに二人で踊るシーンが、けっこう難しかったですよね。息を合わせて動かないといけなくて。 見上 宮世くんはアーティスト活動もしてるし、ドラマでダンスをやっていた経験もあるから頼りにしていました。タイミングを合わせないといけないし、私がステップを間違えちゃってもフォローしてくれたので、助かりました。 宮世 撮影の合間を縫って、一人のときも鏡を使って練習したり、先生にも指導をお願いしたりして、試行錯誤したので、とても良いシーンになったと思います。 ーー学園ドラマらしく、文化祭や修学旅行のシーンもたくさんありますよね。ご自身の学生時代の記憶を引き出しながら演じられたと思うのですが、演じていくなかで役のイメージは変わりましたか? 宮世 最初に台本を読ませてもらったときの真木くんのイメージは、捻くれていて、どこか世のなかを斜めに見ているような感じだったんです。父親に反発しているのも、思春期の子どもならではって感じがして。でもそれって、育った環境が彼をそう変化させている面もあるんですよね。演じている僕自身「反発しても仕方ないよな」って納得する気持ちが出てくることもありました。 真木くんは、唯千花と出会ったことで成長していく。僕自身も、見上さんはもちろん、父親役の石黒賢さんなど、多くのキャストさんとお芝居をすることで、役への向き合い方が変わっていくのを感じてました。 見上 私も、演じてみてわかったことがたくさんあります。台本を読んだ段階では、唯千花ってすごく強い子だなって思ったんです。唯千花自身「強くて優しい子になりたい」と言っていて、そう言えること自体が強さの証でもあるな、と。 でも演じていくうちに、弱さを見せることはかっこ悪いことだっていう、彼女なりの美学があるのかもしれないなって気づきました。強さのなかにも、弱さがある。そう感じてからは「これを言われて傷つかないはずないよな」と思うセリフに対しては、しっかり傷つくようにするとか、演じるうえでも変化を意識するようになったと思います。