復興へ飛翔 小松基地で航空祭、8万人超沸く
●被災地の子ども特別観覧 能登半島地震からの復興祈念を掲げた航空自衛隊小松基地の航空祭は23日行われ、ファン約8万2千人(主催者発表)が詰め掛けた。3月に被災地上空を飛んだアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」が迫力のフライトを披露。会場には能登7市町の子どもたちを対象に特別観覧席が設けられ、被災者も空の祭典を楽しんだ。 【写真】航空ショーを目当てに大勢のファンが訪れた会場 ●任務でヘリ飛び立つ 地震に続き被災地が豪雨に見舞われる中、災害派遣要請に対応できる態勢を維持して行われた。航空祭の最中に、小松救難隊などのヘリコプターが任務で飛び立つ場面もあった。 ●ブルーインパルス、不死鳥隊形を披露 空自松島基地(宮城県東松島市)所属のブルーインパルスは、復興を願いフェニックス(不死鳥)を模した隊形などで華麗に飛行し、スモークで大空に白線を描いた。江尻卓隊長は「被災者の方に少しでも上を見て、笑顔になってもらえるようフライトした」と振り返った。 特別観覧会には能登の小中高生や保護者60人が招かれ、展示飛行や管制塔見学を楽しんだ。志賀町志賀小5年の田中悠翔(はると)さん(11)は「戦闘機のスピードや迫力がすごくてワクワクした」と声を弾ませ、家族4人で訪れた中能登町高畠の横井真吾さん(49)は「地震や大雨で気がめいっていたけど、元気を取り戻せた」と笑顔を見せた。 小松基地第303、306飛行隊や、飛行教導群「アグレッサー」は、急旋回を伴う機動飛行を取りやめ、機数を減らし編隊飛行などを披露した。303飛行隊のF15戦闘機1機には、北陸新幹線をイメージした特別塗装と「ともにこえよう石川」のメッセージが記され、注目を集めた。 航空祭の昼食会では、豪雨の犠牲者を悼み出席者が黙とうした。村上博啓司令はあいさつで「直前まで悩み苦しんだが、能登の方に寄り添い、共に進むことをテーマに開催させてもらった」と述べた。