「みんな違ってみんないい」ライブスコープがあってもなくてもスタイルを貫くことがカッコいい【青木唯のライブスコープ論】
過去のセオリーとリアルな知見。
本格的にバス釣りを始めてまだ7年程度。その半分をライブスコープとともに過ごし、スキルアップしてきた青木のなかには、それまで常識だとされてきた『バスフィッシングのセオリー』は、もはや存在しない。 青木「たとえば『夏は水通しのいい岬まわりが良い』という説がありますよね。でも、いったい『岬まわり』って、具体的に何mなのか。岬にぴったり身を寄せているのか、中層にサスペンドしているのか? いろんなタイプのバスがいます。僕の感覚では、岬から大体100~200m離れた沖にいたとしても、そいつは『岬まわりのバス』なんですよね」 ブラックバスは人間と似ている、と青木は言う。それぐらい個性の振れ幅があり、さまざまな行動様式があることをライブスコープが教えてくれた。 青木「『魚探がなくても今の成績が出せるのか?』みたいな批判を受けることも、無くはないんですが、もうそんなこと言ってもしょうがない時代にきてる(笑)。今の小学生がスマホを持っているのと同じです。金子みすゞじゃないけど『みんな違ってみんないい』と思うんですよ。ライブスコープがあってもなくても、オレはこのスタイルを貫くんだ、というほうがカッコいい。僕自身は、他人がどんなバス釣りをしていてもどうこう言うつもりはないです」 【画像キャプション】フィールドによって異なる「バスの癖」も、ライブスコープによって的確に把握できるようになった。「だから同じ場所ばかりではちょっと飽きます。2023年の小野湖戦は初めて試合をしたフィールドで楽しかった」エンジョイしながら優勝杯をかっさらっていった。 【画像キャプション】神奈川県の津久井湖で行われた2022年の「艇王第3戦」では、互いにライブシューティングを駆使して大津清彰とのデッドヒート。晩秋とは思えない釣れっぷりで関東のレンタルボートアングラーたちに衝撃を与えた。 「みんなが自分自身の土俵で釣りを楽しめばいいと思う。他人が何十本釣ったとか、関係ないじゃないですか? 自分の納得できる釣りをして一発食った、でも乗らなかった…それで充分。だからこそいろんなルアーが存在するわけです。トーナメントは別ですよ、あれは仕事ですから」