万博で求められる人工島・夢洲への安全輸送 1日最大22万人、鉄道とバスでどう振り分け
2025年大阪・関西万博の開幕まで、1月3日で100日となる。会場は大阪湾に浮かぶ人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)。マイカー乗り入れ禁止のため、来場者の輸送は主に鉄道とバスが担う。1日最大22万人超と想定される来場者をいかに安全かつ円滑に送り届けるか。日本国際博覧会協会や大阪府市などに課せられた最大のミッションの一つだ。 ■インフラ整備加速 22万7千人-。4月13日~10月13日の会期中、延べ2820万人が来場するとの想定で、終盤のピーク時に見込まれる1日平均の来場者数だ。大規模輸送に備え、夢洲周辺では交通インフラの整備が加速している。 大阪メトロは、夢洲南東の人工島・咲洲(さきしま)(同市住之江区)のコスモスクエア駅が終着点となっている中央線を延伸。今月19日に会場直結の新駅「夢洲駅」が開業する。 大阪市は、夢洲と北側の人工島・舞洲(まいしま)(同市此花区)を結ぶ「夢舞大橋」を4車線から6車線に広げ、島内交通を観光と物流で分けるため一部交差点を高架化する。 ■輸送手段は3つ 22万7千人の輸送を分担する交通手段は、主に3つ。①大阪メトロ中央線13万3千人②指定の会場外駐車場までマイカーで移動し、シャトルバスに乗り換える「パーク・アンド・ライド」(P&R)など6万8千人③主要駅や空港からのシャトルバス2万6千人-だ。 最も負担割合の大きい中央線では、会期中のダイヤ改正を予定し、1時間で最大24本、約2分半間隔で運行する。一部の列車に、教育旅行で訪れる子供専用の車両などを導入する。 P&Rのシャトルバスは舞洲と堺市、兵庫県尼崎市に設ける会場外駐車場を発着点とする。駐車枠やバスの利用はインターネットで来場前日までに予約する必要がある。 これとは別に、駅シャトルバスの発着点は大阪市内を中心に約10カ所あり、1日最大1万8千人超を運ぶJR桜島駅(同市此花区)がメインだ。同駅まではJR西日本が3月15日、新大阪駅(同市淀川区)からの直通臨時列車「エキスポライナー」の運行を始める。同区間は現在乗り換えが必要で25~30分かかるが、5~10分短縮される。 ■「多少の我慢共有を」