ビットコイン・レイヤー2:概要と分類・比較、期待される展開
3. ロールアップ
機能:トランザクションをバッチ処理し、最終決済のためにメインネットワークのコンセンサスレイヤーに送る実行レイヤーの役割を果たす。10分ごとに中央機関と配送状況を更新する全国的郵送システムを想像してほしい。イーサリアムエコシステムでは、アービトラム(Arbitrum)、オプティミズム(Optimism)、zkSync、スタークネット(Starknet)などがある。 種類:Optimistic Rollups、ZK Rollups例:Merlin Network、Build On Bitcoiin、B^2、Bitlayer
ビットコイン・レイヤー2が解決する問題とその重要性
ビットコイン・レイヤー2は、ネットワークの効率性と機能性を高めるために重要な問題に対処する。 まず、混雑を緩和することでスケーラビリティを向上させる。その結果、取引手数料は下がり、取引の実行が速くなるため、ビットコインはより日常的な使用に適したものとなる。 L2はまた、保有するビットコインの有用性を高め、複雑なスマートコントラクト機能を導入し、DeFi(分散型金融)、NFTなどの、Web3アプリケーションを可能にする。強化されたプログラマビリティは、ビットコインが市場での重要性を維持することに役立つ。ビットコインのユースケースを拡大し、よりスムーズで安価な取引を実現する。 究極的には、ビットコインL2はユーザーにとって重要だ。その理由は、レンディングプラットフォーム、利回りソリューション、分散型取引所(DEX)の利用など、ビットコイン保有者に新たな機能性を提供するからだ。ビットコインのポートフォリオが重要な部分を占めるアクターにとって、これらがイーサリアムベースのソリューションに代わるものとして機能する。
ビットコインL2の比較と期待される展開
ビットコイン・レイヤー2を比較するには、その技術的な分類を評価する必要がある。まずは、ステートチャネル、ロールアップ、サイドチェーンのいずれであるかを識別する必要がある。 さらに、取引手数料、セキュリティ保証、ネットワーク上で利用可能な分散型アプリケーション(dApp)などの指標も重要だ。下表は2024年6月時点の主なビットコイン・レイヤー2を比較したものだ。 * BounceBitはレイヤー2ではなく、BTCをメイン通貨とするレイヤー1のプルーフ・オブ・ステーク(PoS)チェーン。 ** BabylonはBTCステーキングプラットフォームであり、BTCステーキングを可能にする斬新なアプローチを実装している。 今後、ビットコイン・レイヤー2がさらに拡大し、新たなレイヤー2が出現することは間違いない。ビットコインの希少性と2100万BTCという発行上限のため、デジタルゴールドのプログラマビリティと機能性を拡張することは理にかなっている。 今後の進化には、上記L2における取引コストの引き下げ、さらなる互換性レイヤーの追加、自動化dAppや人気ウォレットのサポートなど、イーサリアム上でよく知られた基本的な実装が含まれる。 ビットコインは、その価値と累積時価総額に下限も上限もなく、現在の時価総額は1兆4000億ドル(約217兆円、1ドル155円換算)近い。ビットコインブロックチェーンは現在の形では、イノベーションが花開くための基礎的なレイヤーを担っており、現在はレイヤー2という形でイノベーションが実現している。 アービトラム、オプティミズム、ベース(Base)、zkSyncのイーサリアムにおける成功を見ると、このカテゴリーでは少なくとも複数のエコシステムが繁栄するだろう。したがって、その進化を追いかけ、2024年に最も急成長するストーリーのひとつとしてビットコインの使用を受け入れることが不可欠になる。 |翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸|画像:Shutterstock|原文:Crypto for Advisors: Layer 2s and the Evolution of Bitcoin
CoinDesk Japan 編集部