「親のおひとりさま期」は自分事として捉える契機になる!?人生100年時代におひとりさま期をどう生き抜くか
ケース3 父の財産管理、印鑑の在処がわからない
M・Hさん(50代、東京都在住、独身)は、去年亡くなったお父さんの遺品整理で困ったそうです。お母さんは病気で2年前に他界。富山県の実家には、お父さん(79歳)が独り暮らしをしていたそうです。 「父は介護が必要なほど弱ってはいなかったし、弟一家が近くに住んでいるので、私は月に1~2回帰省して、料理を作り置きして冷凍したり、洗濯や掃除をまとめてするようにしたりしていました。」 お父さんは心筋梗塞で突然、他界。弟夫婦と一緒に葬儀を行ったところまでは良かったのですが……。 「父は複数の銀行にお金を分散していたようです。でも、年金の出し入れなどに使う日常の口座以外の通帳や印鑑が見つからず、困りました。退職金をどう管理していたのか、弟も詳しく知らないようでした」 そうこうするうちに、証券会社から株の配当金のお知らせ通知が来て、株を買っていたことが判明しました。金額もほぼ想定した通りでした。 「証券会社の証書も探したのですが、混乱していて見落としていたのかもしれません。今回はたまたま通知が来て分かりましたが、もし早々に実家をたたんでいたら…と思うとゾッとします。相続人が連絡を受け取れないという事態にならないように、自分の財産の預け先はちゃんと記しておこうと思いました」 Tさん、Nさん、Mさんの抱える問題は、決して他人事ではありません。自分はどうしたいのか、どんな終活を始めれば良いのか……ひとつの答えとして紹介したいのが、その名も「おひとりさま信託」。その内容とは? メリットとは? 次回お伝えしていきます。 取材・文/ひだいますみ
@DIME編集部