キッザニア東京にPCの組み立てを体験する「パソコン工場」がオープン。子どもたちがグラボ、水冷クーラー、SSDを取り付けて起動確認までできる、本格的なPC組み立てに挑戦
KCJ GROUPとマウスコンピューターは、東京・豊洲にあるキッザニア東京に子どもたちがパソコンの組み立てを体験出来るパビリオン「パソコン工場」を6月26日にオープン。その初日に、メディア向けにオープニングセレモニーを開催した。 『マウスコンピューター』画像・動画ギャラリー 「パソコン工場」パビリオンでは、子どもたちはパソコン工場のスタッフになりきって本物のPCパーツを実際に使って組み立てることができる。その作業を通じてパソコンを構成するパーツの機能などを身に付けながら、オーダー通りのマシンを組み立てる──といった体験ができるコーナーとなっている。 オープニングセレモニーでは、マウスコンピューター代表取締役社長の軣秀樹氏とKCJ GROUP代表取締役社長の圓谷道成氏が登壇。キッザニアらしい華やかな雰囲気のなかイベントがスタートした。本稿では、その模様をレポートする。 文・取材/高島おしゃむ ■パソコンを組み立てた子どもたちの笑顔を見て「もっともの作りやパソコンのことを伝えたい」。クールな子どもたちのユニフォームにも注目 1993年に創業したマウスコンピューターは、受注生産に特化したPCメーカーとして誕生した企業だ。今回キッザニア東京に誕生した新たなパビリオンは、そのマウスコンピューターが協力して実現したものだ。実は、マウスコンピューターがキッザニアに出展するのは、今回が2施設目となる。2021年7月には兵庫県西宮市に同社が出展した「キッザニア甲子園」がオープンしており、コロナ渦の最中であったにもかかわらず3年間で延べ4万人もの子どもたちが参加している。 ちなみに、今回キッザニア東京にオープンしたパビリオンでは、キッザニア甲子園のときよりもふた席多い8人が同時に参加可能。より多くの子どもたちがパソコン作りを体験できる場となっているそうだ。 セレモニー冒頭に登壇したマウスコンピューターの軣秀樹氏は、「子どもたちにもものづくりを体験してもらいたい」と考える。2010年に親子パソコン組み立て教室を開催した際や、2021年にキッザニア甲子園に「パソコン工場」のパビリオンをオープンしたときに、パソコンを組み上げる子どもたちの姿、完成したときの喜びを目の前にして、「もっともの作りやパソコンのことを伝えたい」と感じたと語った。 3年前にパソコン工場のパビリオンがオープンしたときと同じ、マウスカラーの黄色いネクタイを今回も身につけてきたというKCJ GROUP代表取締役社長の圓谷道成氏。 圓谷氏自身もマウスコンピューターのPCを使っているということから愛着もあり、「そのパソコンを子どもたちが楽しみながら組み立てて起動する体験ができるパビリオンを提供できるのは、嬉しく思う」と喜びを語っていた。 キッザニアを運営するKCJ GROUPは、子どもたちに生きる力を育むことを目的に運営されている。今回のパソコン工場のパビリオンでも、「楽しみながら学んで、パソコンを好きになってもらいたい」と述べ、挨拶を締めくくった。 続いて、パソコン工場のユニフォームを身につけた子どもたちが登場し、軣氏と圓谷氏からオーダーがあったパソコンを組み立てるという実演が披露された。ユニフォームは、黄色と黒をベースにしたキッザニアオリジナルデザインのものが採用されている。襟の形にもこだわり、スタイリッシュなデザインになっているのが特徴だ。背中と胸にはマウスコンピューターのロゴマークも入った、本格的な作りになっている。 軣氏と圓谷氏からオーダーシートを受け取った子どもたちが、パソコンを組み立てる。その後、軣氏と圓谷氏とともに電源を入れて動作を確認するパソコン起動式が行われ、無事電源が入ることを確認した。そして、このパソコンが無事起動したことでパビリオンが正式オープンとなった。 ■実際の「パソコン工場」パビリオンの流れを披露。オーダーシートにそってパーツをピックアップ、実際に組み立てて、最後に起動を確認と本格的 オープニングセレモニーが終了したあと、実際にパビリオンで子どもたちがパソコンの組み立て体験をする実演が披露された。なお、実際にパソコンを組み立てる場合は30分程の時間を掛けて行われるのだが、今回は取材向けに一部作業を抜粋した短縮バージョンで行われている。 このパビリオンでは、最初にスタッフからパソコンのパーツが持つ役割について簡単な知識が説明される。自作PCを作ったことが無い人にとっては大人でも知らないことが多いが、単なる体験ではなくこのパビリオンで得た知識を活かして、本物のゲーミングPCを組み立てることもできるような内容となっていた。 説明が終わった後、スタッフよりオーダーシートが子どもたちに渡され、それに合わせたパーツを集めていくピッキング作業に取りかかっていく。オーダーシートにはバーコードが記入されており、それをバーコードリーダーで読み取ることでパーツが入っている棚のランプが光る仕組みになっている。すべてのパーツをピッキングし終えると音が鳴り、準備完了。 パーツを集め終えたら、オーダーシートに書かれている席に座り、組み立て作業に入っていく。オーダーシートは机の上に取り付けられるようになっているのもポイントだ。パソコンケースの中にはコードなどが入っており、そちらを取り出したあと、いよいよ各パーツを取り付けていく。 ちなみに、組み立て用のパソコンケースの中にはあらかじめマザーボードと電源ユニット、水冷クーラー、SATAケーブルが取り付けられた状態になっている。ここからそれぞれのパーツを取り付けていくことになるのだ。 最初に取り付けるのは、最も大きいパーツのグラフィックカードだ。パーツをPCのスロットに取り付けた後で、ネジで止めていくという本格的な組み立て作業になっていた。 続いて、水冷クーラーをCPUに被せていく形で取り付けていく。グラフィックカードはドライバーを使ってネジを締めていったが、水冷クーラーのネジは指で回して取り付けていくようだ。 続いて、4つのケーブルを取り付けていく。この「パソコン工場」の面白いところは、それぞれの作業で何をすればいいかわかるように、目の前のディスプレイに絵でわかりやすく描かれたものが表示されることだ。そのため言葉だけで説明されてわかりにくいところも、視覚的に把握しやすくなっている。 実際のパビリオン体験では、このあとSSDを取り付けて結束バンドでまとめるといった作業が入り完成となるが、今回は割愛。実際に完成したパソコンに電源を入れて、無事起動を確認することができたら完成となる。 実際にパソコンの組み立てを体験した子どもたちは、「マウスコンピューターのパソコンでゲームをしたことはあったが、パソコンを組み立てるまでを知り、いい機会になった」と素直な感想を述べていた。また、全員がこのパビリオンに参加するまではパソコンがこのような形で組み立てられていることは知らなかったこともあり、いい体験になったようだ。 最近は以前よりもPCゲームのニーズが高まってきているが、「PCの組み立て」はまだ少しニッチな印象だ。パソコンの構成やパーツの役割を、実際の作業を通じて学ぶというのはまさにここでしかできない体験となっているので、「PC」や「ゲーム」に興味を持つお子さんがいる方はぜひチェックしてほしい。
電ファミニコゲーマー:高島おしゃむ
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