【独自】“世界最大”運用会社トップが分析 フィンク氏「日本株 まだ上昇の余地」
「日本株はまだまだ上昇」
日本株にこれまでにない注目が集まる中、総理官邸を訪れたのが、「ブラックロック」のラリー・フィンクCEO。日本円で運用資産が1500兆円を超える世界最大の資産運用会社のトップです。岸田総理大臣はフィンク氏に日本の経済政策や賃金の動向を説明。フィンク氏からは賛同を得たということです。 これに先立ち、そのフィンク氏がテレビ東京のインタビューに応じました 「34年ぶり高値の日本株、今後の見通しは」(佐々木明子キャスター) 「日本企業の質と業績をみるとまだ上昇余地はある。ドル建てで見れば日経平均株価はまだ史上最高値に達してはいない。日本株は非常に割安だ」(フィンク氏) 1500兆円を動かす企業のトップが、最高値を更新している日本株にまだ上昇余地があるとの見方を示しました。 「新NISAで『貯蓄から投資へ』の流れは進むか」(滝田洋一解説キャスター) 「幅広い個人投資家が日本に投資を始めることは『希望』の現れだ。新NISAが日本経済を再び活性化させ刺激することに興奮している。世界中で株価が最高値を更新すると経済が加速する傾向がみられる。日本は楽観の時にある」 「中国からの資金流出は続くか」(滝田解説キャスター) 「多くの資金が中国から流出するだろう。そこに疑いの余地はない。日本、サウジアラビア、UAE、メキシコなどさまざまな地域に資金は移動するだろう。特に日本とインドには強い関心が向くだろう」 また、フィンク氏は、少子高齢化が進む日本では、生産性の向上を進める産業に今後も成長の余地があるとみています。 「多くの人は日本の人口構造に否定的だが、私は人口構造の問題がAIやロボットなどの技術への素晴らしい投資機会になるかもしれないと考えている。日本にはAIやロボティクス、ビジュアル技術、センサー技術を迅速に産業化する能力があるからだ」(フィンク氏) 日本と同様に株高が続くアメリカについても言及しました。インフレが根強い中でも年内に3回の利下げという見通しを維持したFRBの政策への分析については次のように話します。 「最初の利下げは6月とみている。FRBは適切に行動している。金融政策の拙速な変更には慎重で、データをとても重視している」(フィンク氏) 利下げに移る時期が焦点のアメリカと17年ぶりの利上げに踏み切った日本。金融政策が別の方向に進みながらも、両国で株高が続く複雑な状況ですが、個人投資家は投資をし続けるべきとフィンク氏は強調します。 「退職後に向けて投資をするという20~30年の長い旅が私たちを待っている。だから『利上げだ、利下げだ』、『金融緩和だ、引き締めだ』などと短期的なことを話すことに時間はあまり費やさない。相場が良い時も悪い時も市場にいることが、市場から離れてしまうより良い」 ※ワールドビジネスサテライト