楽天・三木谷氏の現場介入に球界大御所が反論!
楽天の田代富雄・打撃コーチの退団で明らかになった三木谷浩史オーナーの現場介入の問題が、今なお波紋を広げている。 三木谷氏は、スポーツ紙のインタビューに答え、現場介入を認めたうえで、抜本的な球団改革の年にするため、フロントと現場が一体となる組織的なマネジメントを進めていて、そのための現場介入である、などと言い訳、自己肯定発言をしたことで、ネットユーザーの間では、「素人が悪戯にひっかき回して負けている」「金を出すオーナーが口を出すのは当然」「新しい試みを評価すべき」などと賛否両論が議論されている。 THE PAGEでは、以前、地域の文化である球団はファンのものであって、ファン不在のオーナーの現場介入のナンセンスさと、弱いチームの典型である組織のガバナンスの気薄を指摘したが、元巨人OBで、監督としてヤクルト、西武で辣腕をふるい、ロッテではGMの経験した球界の“ご意見番”、広岡達朗氏が、この問題に触れて「やってはならないこと」と、バッサリと斬った。 「本来は、三木谷氏がやろうとしていることは、フロントの仕事です。オーナーは金を出すのだから、口を出すなとは言いませんが、まずはしかるべき立場のフロントにその考えを伝え、現場に落とし込むべきです。大久保と仲がいいからできるのかもしれませんが、組織の形として、オーナーが作戦面にまで首を突っ込んでくるのは、あってはならないことでしょう。よくない行動です」 オーナーが口を出すのは楽天だけに限った話でなく、他球団にも大なり小なり、この手の話はある。メジャーでも、編成などに口を出すオーナーも少なくない。ただ、その介入の先はフロント(メジャーの場合GM)であって、現場の監督、コーチなどに直接圧力をかけるケースは稀だ。フロントをすっ飛ばしてそういう行動を行えば、「組織の統一どころか、組織が崩壊してしまいます」と、広岡氏は言う。 実は、かつて広岡氏は、楽天の初代監督に就任した田尾安志監督が、その2005年のシーズンに惨敗した際、三木谷オーナーからチーム強化の相談を受け、アドバイザー就任の話を持ち掛けられたという。