【高校サッカー選手権】三浦学苑の勢いに苦しみながらも桐光学園が接戦を制し準決勝へ
10月26日、第103回全国高校サッカー選手権神奈川予選2次予選・準々決勝が県内2会場で行われた。レモンガススタジアム平塚会場ではインターハイ全国8強の桐光学園が三浦学苑と対戦し1-0で勝利を収め、準決勝進出を決めた。 【フォトギャラリー】桐光学園 vs 三浦学苑 「本当に苦しい試合でした。ラウンドアップできたこととゼロでゲームを終えられたっていうこと以外は、ウチらしい良さが出せなかった」と鈴木勝大監督も渋い表情を浮かべたように桐光学園にとっては厳しいゲームとなった。 立ち上がりから積極的に前へ圧をかける三浦学苑。4分ゴール前の混戦から抜け出したキャプテンのMF8古谷吏がオープニングシュートを放つがこれはブロックに遭い先制とはならない。9分にはワンツーで右サイドを抜け出したFW9 鈴木駿太のクロスをFW24奈良谷亨次がヘディングで合わせるがこれはGKの正面を突いてしまう。 三浦学苑の鋭い出足で、なかなか攻撃の形を作らせてもらえなかった桐光学園だったが35分、左サイドでFKを獲得。キッカーMF8伊藤壮喬がゴール前に入れたボールを「この状況を変えてやる」と飛び込んだFW9丸茂晴翔が相手DFと競り合いながらも頭に当てると、これがそのままゴールに吸い込まれ、桐光学園が先制、前半を1点リードして折り返す。 エンドが変わった後半、早く試合を振り出しに戻したい三浦学苑は42分、MF13関根徒のシュートのこぼれ球から生まれた混戦から最後は後半から途中出場のFW11深水理玖斗がゴールに収めるが、惜しくもこれはオフサイドの判定。勢いの止まらない三浦学苑はその後も44、48分と立て続けにゴール前で好機を迎えるが、いずれも枠を捉えることはできない。 セカンドボールの回収に梃子摺り、後手に回る桐光学園は52分、「相手のツートップが使ってきたサイドのスペースの受け渡しがスムーズじゃなかったので、ちょっとスペースを埋めに行った」(鈴木監督)伊藤に替えてDF12笠羽健太を投入、するとこれがハマり、ボールが繋がり出すと追加点こそ奪えなかったものの、三浦学苑の攻撃をシャットアウト。結局、虎の子の1点を守り切った桐光学園が、苦しみながらも準決勝進出を決めた。 試合後、キャプテンのDF2杉野太一は「まずトーナメントとうことで、また1個ラウンドを上がれたのは、今日の収穫かなと思います。4バック全員でコミュニケーションをとって、連携してゼロで抑えるのは自分たちの自信にもなってるので、そこは良かったです」とホッとした表情で話した。 また3回戦に続いて決勝点をあげ丸茂は、「チームとして少し押されてたり、あまり上手くいってない状況でしたが、8番の伊藤君が良いボールを上げてくれたので、自分はパワー持ってしっかり決めることできた。率直に嬉しかった」と笑顔でゴールを振り返った。 惜しくも敗れてしまった三浦学苑だったが、序盤から怖がらず、しっかりとラインを保ちながら前に出て、相手の良さを消す試合運びは見事だった。 (文・写真=西山和広)