大谷翔平「つらいのは自分だけじゃない」 過去の肘故障でチームメイトが目撃していた大谷の“流儀”とは
■米国記者が目のあたりにした大谷独特の“流儀”
大谷の偉大さは、ユニフォーム姿で見せるパフォーマンスの質や、160km超えの投球や137m超えのホームラン、そしてそれに酔いしれる大観衆だけで測れるものではない。 心の奥底で、彼は他人と違うことをやってみたいという思いを抱いていたのだ。自分だけの独自の野球をやりたいという、確固たる信念を持っていた。 単純に考えれば、練習時間を投打の双方に半分ずつ割り当てればいい。しかし、大谷は誰よりも努力した。そうすることで、人々の常識を覆そうという大谷の挑戦は、誰も予想しなかった野球を可能とし、周りの意識を変えていくことになった。 大谷の信じられないようなプレーは1世紀近くも人々が目にしていなかったものであり、それゆえに彼の人気には一気に火がついた。 ファンが大谷に惹きつけられるのは、メジャーリーグという高いレベルの場で彼が新たな挑戦をしているからでもある。彼自身にしか見えないであろう山頂を目指して邁進していく姿が、人々の心をとらえるのだろう。 さらに、大谷独特の“流儀”もまた、称賛の的となっている。 親の目線で見てみると、大谷は非常に礼儀正しい人物であることに気づく。日本の文化をそのままに、大谷は誰かに近づくときに礼をする。それが相手チームのキャッチャーや審判であっても、その日の最初の打席に入るときには礼を欠かさない。 打球がとらえられてアウトとなれば、戻って自分が放り投げたバットを取りに行く。フォアボールで歩く際は、足首、肘、手首からサポーターを外し、綺麗にまとめてバットボーイに渡す。
■故障中の大谷をチームメイトはどう評価していた?
エンゼルスのチーム名がレターヘッドに入った文書が公開された。その一文一文を読むにつれ、誰もが衝撃を受けずにいられなかった。 エンゼルスも、大谷翔平自身も、もっとも恐れていた結果がMRIの検査によって明らかになり、そのニュースがメディアに広がっていった。 エンゼルスの医師団は、損傷した内側側副靭帯の再建のため、大谷にトミー・ジョン手術をすすめる方針を固めたというのだ。 突然、二刀流のスーパースターになるという大谷の夢は打ち砕かれてしまった。少なくとも1シーズンのあいだは。手術には長期のリハビリが必要となり、大谷は2019年に登板することができなくなってしまう。 この事実を受け、大谷は一人で悲しみに暮れているのだろうか。いや、それはない。投げられないなら、投げられないでいい。バットを振ることはできるのだから、彼は打席でベストを尽くすまでだ。 「彼がどれだけ真剣に野球と向き合っているか、周りには決してわからないだろう」ショートのアンドレルトン・シモンズはmlb.com にそう話した。「球場に来て、練習する。帰宅してもトレーニングする。毎日のように、チームメイトが感心するほど練習に打ち込んでいる。この状況でも前向きな姿勢なのは素晴らしいね。打撃力はとんでもなく強いし」