令和時代に輝くFC東京・久保建英の凄さの秘密が判明!
FCバルセロナの下部組織の入団テストに合格した久保は、10歳の夏にスペインへ渡った。時をほぼ同じくして、日本代表DF長友佑都(ガラタサライ)らへの指導で知られるプロトレーナー、木場克己氏に師事。体の成長に合わせながら、プロを照準にすえた体作りを進めてきた。 昨シーズンの久保が主戦場としたFC東京U-23で監督を務め、今シーズンはトップチームのコーチを務める安間貴義氏は、間近で見てきた久保の一番の変化をこう語る。 「去年まではボールを運ぶときに体をぶつけられて、相手ボールになっていた。それがコンタクトされてもグイッと前へ入っていけるようになったところが大きいし、無理だと思えばファウルをもらってくれる」 たとえば川崎フロンターレとの開幕戦で、久保は日本代表経験をもつDF車屋紳太郎との激しい攻防を制圧している。車屋の懐に体をねじ込んでボールを奪って素早く反転し、体を接触させてきた車屋を一気に置き去りにしてカウンターを発動させた一連のプレーも、体幹強化との相乗効果で天性と言っていい体の柔らかさをようやく実戦で生かせるようになった、と考えればスムーズに説明がつく。 松本山雅戦のプレーの続きでは、そのままドリブルで右角あたりからペナルティーエリア内へ侵入。前方をDF橋内優也、後方を高橋に挟まれたところでパスに切り替えた。細かいフェイントを入れて幻惑しようとしていたプレーは、PKを誘おうとしていたようにも映る。 FC東京の了承のもと、木場氏の指導はいま現在も続いている。6月には18歳になる身長173cm、体重67kgの体にパワーをも融合させていけば、どのようなプレーが生み出されていくのか。輝きと可能性を増すばかりの逸材は4日、敵地パナソニックスタジアム吹田でガンバ大阪との令和初陣に臨む。 (文責・藤江直人/スポーツライター)